フィギュアスケートの選手が4回転ジャンプを特訓して、
本番前にも何度も成功していました。
しかし本番当日、
「なんか今日は調子がわるいなー、
うまくいかないかも」と感じたら、
どうするでしょうか?
おそらくその選手は4回転をあきらめて、
3回転半にチャレンジするでしょう。
賭けに出るより減点されないほうが大事だからです。
自分のコンディションが分かっている人は、
大事なときに無理をしません。
大事な局面で失敗すれば、
失うものが大きいからです。
本来なら高得点を狙う力も持っていても、
不調なら狙う点数を下げて
転ぶのを避けたほうがいいのです。
会話するときも同じことが言えます。
とっておきの面白い話のネタを仕入れたとします。
「よし、今日はあの人にこの話をしよう」と思っていても、
話を切り出す前に
「どうも今日はパッとしないな」と感じたら
止めたほうがいいでしょう。
どんずべりして
トラウマになるかもしれません。
会話は話し手と聞き手のコンディションによって楽しいものにも、
うんざりしたものにもなります。
話し上手はそのことをきちんと理解しているので、
違和感を感じた場合は
面白い話があっても無理に話しません。
次回に取っておいて無難な話をしたり、
ウケを狙った話し方を控え、
減点されない手堅い語りをします。
自分の感情を理解することは、
会話力を上げるコツでも
人生をうまく生きるコツです。
調子に合わせてふるまい方を変えることで、
大きな失敗をすることがなくなります。