人は、相手が語る話の内容によって、
その人物の器を計ろうとします。
芸能人のゴシップやワイドショーが好みそうな話題しか話さない人は、
話の内容で尊敬されることはないでしょう。
たとえば次の、AとBの会話を見てください。
A 「昨日のドラマ見た?」
B 「見た見た、主役の女の子ってスタイルいいよね!」
こんな雑談で盛り上がれば、
当事者の二人は楽しい時間を過ごせるでしょう。
しかし、第三者がこの会話を聞いたら、
話している二人がどんなに優れた人間であったとしても、
それは伝わりません。
人によっては、
こんな話題ばかり話す人をなめてかかります。
俗っぽい話しかしない人は、
底の浅い詰まらない人間だと思われる危険があるのです。
心理学者の実験によると、
話し手が「戦争」の話をすると、
聞き手はその話し手を「男性的」と評価するそうです。
同じ話し手でも「介護」の話をすると、
聞き手はその話し手を「女性的」と評価します。
話す内容が違うだけで、
他人からの評価は180度変わってくるのです。
かつて雑談でなめられない方法を、
考えたことがあります。
どんな話なら相手を唸らす雑談ができるのか、
哲学的で高尚な話をせずに、
バカにする人間からバカにされない方法はないのかと、
試行錯誤しました。
その結果、一つの方法を見つけました。
それは、くだらない雑談の中にも、
抽象的な議論を持ち込むことです。
たとえばテレビの話題を話すときも、
そこから日本人観や人生観を展開します。
「ドラマで演じてるあの役ってさ、
謙虚だよね。
昔の日本人は控えめだったていうけど、時代背景とピッタリだよね」
話し上手な人は、相手の出方に応じて、
話のレベルを変えていきます。
「女性の胸とおしりどっちが好きか?」という話題であっても、
聞き手が、
話の内容で人を軽く見る人なら、
いつの間にか美人論や芸術論を展開します。
そうすることで、
一目置かせるのです。
私自身はバカなことばかり雑談したい人間なので、
議論はあまり好みません。
しかし、人からなめられると損をすることばかりです。
いじめられたり、
いい仕事が回ってこなかったり、
扱いが雑になったりと、
いい事ナシなので、
人をバカにする傾向のある相手には、
しっかりけん制しておいたほうがいいでしょう。
なお、抽象的な議論を展開するには、
ある程度の教養が必要になってくるので、
読書などで見聞を広めてください。