エビングハウスの忘却曲線をもとに、
確実である復習の方法を思うなら、
できる限り1日以内に
もう一度反復することが大切になります。
なぜなら実験結果によれば、
たった24時間で
74%もの記憶が消えてしまうからです。
ただし学習すぐ後で
サラッとでも復習することで、
とりあえず忘却にたいするストッパーをかけれるので、
しばし長持ちする可能性はあります。
かと言って、その日のうちに
復習しておくに越したことはありません。
先ほど説明したように
ブレイクタイム中の復習は、
時間があまり取れないので、
込み入ったところまで目を通せません。
そのため、その日の内に
復習の時間を設定するほうが安心です。
問題はタイミングです。
その日のうちなら、
とくに復習のタイミングに
こだわる必要はないというのが私の考えです。
20分後だろうと1時間後であろうと、
また3時間後、7時間後であろうと、
それほど違いはないのではないでしょうか。
そのへんは、
その人の生活に添って
復習する時間を取ればよいと思います。
エビングハウスの忘却曲線は、
訳のわからない音節をつかった実験ですので、
忘れやすくて当然という訳です。
実際の受験勉強では
理解が付きものなので、
脳内で「連合や精緻化」(情報どうしがカラむということ)が行われ、
もう少し長いあいだ覚えていられるものです。
つまり、それほど忘却にたいして
神経質になる必要はなく、
勉強した日に、いつでもよいので、
もう一回だけ復習をすればよい、
ということになります。
寝る前の復習も効果的です。
就寝直前に復習をすれば、
そのあと、ほかの情報が脳に
それほど入ってこないので、
記憶の取り次ぎを受ける心配がありません。
海馬の記憶には容量があり、
新しい記憶を詰め込むと、
時代遅れのバランスを崩した記憶が干渉を受け、
けっきょくは両者とも
記憶が霞んでしまうというトラブルを挙げられます。
そう考えると、
朝や明るいうちに勉強したことは、
夜寝る前にもう一度復習するのが理にかなっています。
ただ休む前にこだわることもないのです。
どの時間帯であれ、
その日のうちに復習することに成功すれば、
とりあえずは74%もの忘却を阻止できたことを意味します。