大人になってから、
身長を伸ばす方法には手術で伸ばす手段もありますが、
その手術法のひとつがイリザロフ法と呼ばれる骨延長手術です。
イリザロフ法は、元々骨折の治療法として確立されたもので、
折れてしまった骨を素早く癒合させ、
骨折に伴う骨の変形などを矯正するために用いられる手術法でした。
この手術を基礎疾患のない低身長に対して、
美容的延長を目的として用いた場合の手術が、
美容整形の分野などで
よく言われるイリザロフ法による低身長の改善なのです。
美容目的でイリザロフ法を用いる場合に注意しておきたいのが、
保険の適用外だということで、
他の部位の美容目的手術の場合と同様に扱われています。
加えて長期間に渡る治療が必要な手術でもありますので、
費用面や時間面の負担が大きいことが大きなデメリットになるでしょう。
また、リスク面について考えてみると、
合併症の危険性を持った手術でもあって、
イリザロフ法の合併症として考えられるものは、
関節拘縮などで症状が重い場合は後遺症が残ることもあるのです。
イリザロフ法を受けるなら関節拘縮を前提として考えて、
ある程度の期間をリハビリに費やす覚悟も必要になってきて、
このような点からも手術前にしっかりと術法について、
把握しておく必要性が高い手術だといえるでしょう。
イリザロフ法の具体的な手術法ですが、
手術後に固定器具を使った少しずつ骨を延長していくというものです。
基本的に1回の手術で、
5cm程度の骨を伸ばすことを目標として行われることが多く、
術後の状況などによっては
1年以上目標の長さまで骨を伸ばすのにかかるような場合もあります。
器具装着期間は、
生活のあらゆる面で器具に干渉されることが考えられることから、
生活をサポートしてくれる人物が必要になってきます。
そのような面からも社会人にとっては
大きな負担が強いられる手術方法だといえるでしょう。
また、目標の長さまで、
伸ばした骨がある程度の骨の強度になるまでは油断は禁物で、
生活をするのに十分な強度を得ないうちは
骨折などのリスクも付き纏ってきます。
このように身長を手に入れられる代わりに、
色々な代償を支払わなければならない手術なので、
イリザロフ法で身長を伸ばそうと考えているならば、
十分な準備期間を設けてイリザロフ法について
入念に調べてから判断する必要があるでしょう。
くれぐれも身長が伸ばせるというキャッチコピーだけに、
躍らされて何も考えずに手術を受けるのだけは避けたいものです。