おすすめの勉強場所というものは特になく、
個人個人によって違ってきます。
静かなところでしか
勉強できない人は、
自分の勉強部屋や図書館、
予備校や進学塾の自習室、
レンタルの個室などが適しています。
反対に雑然としていたほうが
集中できるという人は、
リビングや居間、駅前のカフェ(喫茶店)、
ファミレス、スタバ(スターバックス)、
ドトール、ミスド(ミスタードーナツ)、
マック(マクドナルド)などが
合っているかもしれません。
漫画喫茶やインターネットカフェなら集中できる、
という人もいます。
ただし、いずれの勉強場所であっても、
長時間、
同じところに留まる勉強方法はオススメできません。
最初は学習に集中できても、
だんだん質が落ちてきて、
「勉強をやっているつもり」になりかねないからです。
人間は同じところにずっといると、
海馬の場所細胞が鈍ってきます。
シータ波が発生しづらくなるのです。
そうすると集中力や記憶力が低下してきて、
なかなか頭に知識が入ってこなくなります。
それに加えて、
同じ勉強場所にずっと同じ姿勢でいると、
体の筋肉が硬直してきて、
全身の血行が悪くなってきます。
そうなると脳への血流量も、
おのずと減少することに。
脳へ十分な酸素やブドウ糖が供給されなければ、
脳の機能が落ちてくるのは当然といえます。
ですから、
どこか理想の「ひとつの勉強場所」にこだわるよりも、
いろいろな場所をこまめに移動しながら学習したほうが、
脳のためにも体のためにもなります。
オススメは、
生活のなかに
自然と溶け込ませる勉強の仕方。
たとえばトイレ、食事時、風呂(入浴時)、
テレビを観ている時、寝る前、歩いている時、
通勤・通学時などなど、
すべての時間に勉強を溶け込ませるわけです。
たとえばトイレに座ったときに、
前の壁に
「覚えるべき英単語や数学の公式、元素記号」を
書いた紙を貼っておく。
そうすればトイレに行くたびに、
それを見ることになるので、
「勉強しようという意識がなくても」、
しぜんと長期記憶としていくことができます。
食事のときも、
そばに苦手な英単語を書いたメモ帳でも、
紙切れでも置いておけば、
それが目に入ります。
もちろん食事のときは味に集中して
楽しむべきですが、
そばに英単語を書いた紙の切れ端を置いておくだけで、
「勉強という意識がなくても」しぜんと目に飛び込んできます。
1単語や2単語でも覚えることができれば、
上出来です。
風呂に入るときも、
濡れないようにビニールでつつむなどして、
目に見えるところに置いておけば、
同様に自然と目に飛び込んできます。
テレビを観ている時なら、
CM時を利用して、
英単語を暗記したりできます。
通勤・通学時は、
まさに絶好の勉強場所ですね。
座ってもできますが、
立って行なったほうが足の筋肉が刺激されて、
脳への血流量が増します。
目が疲れたら外の景色も眺められます。
このように
日常生活のなかに溶け込ませるようにすれば、
勉強場所にこだわる必要はなくなります。
どこにいたって、
そこが最高の学習環境なのです。
このときポイントになるのは、
ノートのどこか分からない場所に書いておくのではなく、
すぐに見えるところに書いておく、
ということ。
1枚の紙に書くのがいいですね。
教科書やテキスト、
受験参考書も、
カバンに閉まっておくのではなく、
家じゅう、いたるところに置いておくことです。
リビングには英語のテキスト、
和室には歴史(日本史や世界史)の教科書、
トイレには英単語帳、
風呂には元素記号表などなど。
オススメは普通のノートの表紙に、
苦手なポイントを書くこと。
これなら、とくにノートを開かなくても、
いやおうなしに苦手項目が目に飛び込んできます。
そこに置いておくだけで、
食事時やCMのときなど、
しぜんと受験勉強に移行できるのです。
ノートの表紙というと、
キレイにしておくというイメージがありますが、
表表紙も裏表紙も、
いろいろと雑然と書き込んでみるのも面白いですよ。
このように、
おすすめの勉強場所といっても、
一か所に留まると、
海馬からシータ波が発生しづらくなるうえに、
体と脳の血行も悪くなります。
それよりは頻繁に学習場所を変えながら、
その場所特有の勉強をする。
自宅なら張り紙しておけば、
しぜんと目に入るし、
ノートの表紙に書いておけば、
ノートを開くことなく目に飛び込んできます。
家のなかだけでも、
いろいろな場所があるので、
あなただけの「落ち着ける場所」を見つけてみましょう。
ただ注意点としては、
その場所でしかできない勉強というものがある、ということ。
たとえば過去問などの問題集を解くためには、
電車のつり革につかまっては困難です。
これは、やはり机の前に座って、
一か所で行うべきでしょう。
また机と椅子という、
できるだけ本番の試験会場に近い環境で、
問題を解く癖をつけるという意味もあります。
また英語のスピーキングや発音の練習は、
静かな図書館では、
周りの迷惑になるので難しいでしょう。
これは喫茶店やファミレスでも同様です。
そのほか歩いているときなどの移動時は、
教科書やノートを広げることは難しいので、
必然的に1冊のテキストを読んだり、
英単語帳を暗記する作業になります。
このように場所によって、
勉強内容はおのずと変わってきます。
また寝る前の夜は、
脳があまり働かないので、
論理的思考を要する数学は避け、
できるだけ声に出したり、
漢字や英単語のスペルの書き取りといった、
体を使う勉強が適しています。
体を使った方が眠気を追い払えるからです。
寝る前に暗記ものをもってくれば、
そのあと睡眠に入れるので、
記憶の干渉をうけずに脳に定着しやすくなります。
このように勉強場所とともに、
「時間帯」によっても
学習内容がおのずと変わってきます。