小さい頃から英語に触れていると、
文法は自動的に学んでいきますが、
大きくなってから本格的に英語学習を始めた人は、
文法をおろそかにしていると、
英会話ではいつまで経っても
ブロークン・イングリッシュのままですし、
TOEICでは700点台~800点台で伸び悩みます。
TOEIC 900点や英語ペラペラをめざすのであれば、
文法学習は必須です。
とは言え「英文法キライ」という方はけっこう多いので、
そういった方のために、いくつかピックアップしてみました(・∀・)b
一度通読した後に手元に置いといて、
不明な文法事項や文法用語が出てきたら調べるための文法の辞書です。
先ほどもお伝えしたように、
「辞書・文法書を引いた回数と英語力は比例する」ので、
分厚目の文法書は何か1冊持っておくといいと思います。
『一億人の英文法』
特 徴
●イラストが多く、ネイティブのイメージで文法を理解できる
●分厚いわりにイラストやスペースが多く、文字が大きいので、
すぐ通読できる
●類書の中では、例文が実用的で、口語体のものが多い
●大西泰斗先生の本の中では、文法項目の網羅率は最強
▲とは言え、フォレストやロイヤルにくらべると、文法項目の網羅性は低い
▲索引がない(慣れれば目次からいける)
●東進ハイスクールのサイトでPDFサンプル版が読める
大西先生の本の中では、
最も網羅率の高い、先生の集大成的な文法書です。
大西先生の本の特徴は、
従来の小難しい文法用語で堅苦しく説明するのではなく、
イラストを多用して、
ネイティブのイメージで文法事項がつかめるようにしてあるところだと思います。
お時間のある方は、
東進ハイスクールのサイトにあるPDFファイルの「サンプル版」が読めるのでぜひ!
特に、P.12からの「英文法の歩き方」は必読。
僕は大西先生の文法書のお陰で、
●過去形と現在完了の違い、使い分け
●各助動詞の違い
●「a」「the」「all」「every」などの限定詞の違い
●「some」「any」「several」の違い
●主要前置詞・接続詞・副詞のコアイメージ
●主要動詞のコアイメージ
●「make」「have」「let」の違い
●「can」と「could」の違い、「will」と「would」の違い
●仮定法はなぜ過去形や過去完了形になるのか
などがスッキリ分かるようになりました。
本屋さん行かれた際は、
ご自身が苦手な文法項目を一度この本で読んでみて下さい。
おそらく、「へぇ、なるほど!これは分かりやすい!」と思っていただけると思います。
非常に分厚い本ではありますが、
文字が大きく、文章が面白く、
イラストが多いので、
意外とスラスラ読めると思います。
この本はできれば
通読したほうがいいタイプの本なのですが、「全部読む時間なんてないよ~」という方は、
●予備知識的な項目・上級者向けの項目を飛ばして読む
●苦手なとこだけ読む
ようにすれば、早く通読できると思います。
●索引がない
ただ1つ残念なことは、
この本には索引がついておらず、
(目次はついているので、
たいていはそこから探せますが)、
ネット上からPDFファイルをダウンロードして印刷する必要があります。
「一億人の英文法」の出版社である、
東進ハイスクールのWeb上から、
索引PDFをダウンロードできるので、
印刷して本に挟んでおくといいかも。
●ポストイットを貼っておくといいページ
索引がないので、
少しでも調べやすくなるように、
ポストイットを貼っておいて、
頻繁に読み返した方がいいページを載せておきますね(=゚ω゚)ノ
P.111 基本動詞
P.136 メジャーな不可算名詞一覧
P.143 注意すべき名詞
P.152 複数形で注意すべき名詞
P.251 カレンダー関連の言い回し一覧
P.260 程度副詞
P.263 頻度副詞
P.269 基本副詞
P.333 助動詞まとめイラスト
P.379 基本前置詞
P.614 等位接続詞
P.622 従位接続詞
P.666 数の表現
『Forest』
特 徴
●英語学習者の間では「鉄板」のオーソドックスな文法書
●文法項目の網羅性はかなり高く、説明も丁寧
▲例文が少し受験英語的で文章体が多いので、
会話で使うにはカタイものがある
●桐原書店の「Forestのページ」で、少しだけPDFサンプル版が読める
「英語の文法書と言えばForest」というくらい、
英語学習者の間では有名な文法書です。
学生用のオーソドックスな文法書の究極系で、
説明が丁寧で、
文法項目の網羅率は「一億人の英文法」よりも多いです。
ただ、「一億人の英文法」と文字が小さく、
イラストでの説明は少なめです。
また、受験英語系書籍の悪い特徴ですが、
英文が古臭く、文章体のものが多いので、
英会話で使うのには注意が必要なものが多いです。
これからの英語書籍は、
口語体か文章体か、
アメリカ英語かイギリス英語か、
今でもよく使われている文法・表現なのか、
最近ではあまり使われないものなのかの違いを明確にする必要があると思っています。
ですが、
この「フォレスト」や下記の「表現のための実践ロイヤル英文法」などは、
そういう区別があんまりないんですよね。
※「一億人の英文法」も完璧ではないですが、
実用性を重視しているのがいいです。
ですので、文法が苦手な人は、
1冊目は「一億人の英文法」にして、
文法が少し分かってきて、
上記の違いが少しずつ分かってきたら(=「一億人の英文法」で物足りなさを感じるようになったら)、
「フォレスト」か下記の「表現のための実践ロイヤル英文法」を買ってもいくというのがいいと思います。
『表現のための実践ロイヤル英文法』
特 徴
●英語で発信することに重点を置いた文法書
●文法項目の網羅性は高めで、説明も丁寧
●別冊「暗唱例文300」は瞬間英作文ができるレイアウト
▲例文が少し受験英語的で、文章体が多い、
会話で使うにはカタイと思われるものがある
英語を発信すること(スピーキング・ライティング)に重点を置いた文法書。
特に、別冊の「暗記用例文300」(CD付き)は、
文法項目別の【 瞬間英作文 】をやりたいカタにはお勧めです。
「英作文のための暗記用例文300」だけ、
PDFファイルでダウンロードできるようになっています。
ただ、「フォレスト」同様、
例文が受験英語的でカタイ(文章体気味)もの散見されます。
文法書を通読する場合は、
リアル書籍の方が視野が広い分読みやすいですが、
文法事項をサッと調べたいときは、
電子辞書に入っている文法書の方が調べやすいなと感じました。
「一億人の英文法」はリアル書籍で、
「表現のための実践ロイヤル英文法」は電子書籍で、
という組み合わせは悪くないと思います。
文法書より読みやすい文法読本
『ハートで感じる英文法』シリーズ
特 徴
●イラストが多く、ネイティブのイメージで文法を理解できる
●通読しやすいが、文法項目の網羅率は少し低め
●Amazonの中古が安いことが多い
●左の本だけAmazon「なか見!検索」で試し読み可
この2冊も大西先生の本で、
まだ「一億人の英文法」が出ていなかった頃に買った本です。
3周通読しました。
イラストが分かりやすく、
説明も面白いので、すぐに読み終わると思います。
ノーマルと会話編とありますが、
「会話編だから、会話に適している」というわけでもない気がしました。
2冊とも扱っている文法項目が違うんです。
TOEIC学習者向け
文法を勉強したいけど、
中学校のテキストをやるというのもなんだかなーという方におすすめの、
TOEICの英文を使って文法を学習できる一石二鳥な文法書をご紹介(*’-^*)b
こういう本は、
最低3周、できれば5周くらいすると、かなり定着します。
『TOEIC TEST やさしい文法レッスン』
特 徴
●英語が”超”苦手な人、学生時代に英語をサボりまくった人にお勧め
●中学レベルの文法項目をイチから学べる
●Amazon「なか見!検索」で試し読み可
TOEICの英文を使って文法を学べる本って意外となくて、
次にご紹介する「中学英文法で600点」くらいしか見当たらなかったのですが、
最近、TOEIC講師の神崎正哉先生が
お勧めされてたのがこの「やさしい文法レッスン」です。
Amazon「なか見!検索」をご覧いただくとお分かりいただけますが、
中学で学習する順序で文法事項を復習できます。
英語がメチャクチャ苦手で、
学生時代にサボりまくった人で、イチからやり直したいという方にお勧め。
「学生時代はそこそこ英語を勉強した」という方は次の本のほうがいいと思います。
『新TOEICテスト 中学英文法で600点!』
特 徴
●TOEIC Part 5・6形式で、中学英文法を復習できる本
●上記の「やさしい文法レッスン」よりも実践的
●Amazon「なか見!検索」で試し読み可
TOEIC講師・小石裕子先生のTOEIC初心者向け文法問題集。
「学生時代に、英語は一応勉強したけど、
けっこう忘れてしまっているので復習したい」という方にお薦め。
上記の「やさしい文法レッスン」と比べると、
Part 5・6対策としては、こちらのほうが実践的です。
ただ、
「英文法が超苦手」「英文法をイチからやり直したい」という方は、
「やさしい文法レッスン」のほうが、
より初心者向けだと思います。
さすがにこれ一冊で600点を取るのは難しいと思うので、
タイトルは若干煽り気味だと思います、
中身はすごくいい本ですよ(・∀・)b
持ち運びに便利な文法単語集
『英単語イメージハンドブック』
特 徴
●イラストが多く、ネイティブのイメージで文法を理解できる
●中学レベルの文法事項を手軽に学べるので初心者にお勧め
●目次・索引が使いやすく調べやすい
●コンパクトなので、外で勉強する派の人にお勧め
大西先生の基本単語別文法書。
「一億人の英文法」よりコンパクトで持ち運びやすいので、
スキマ時間や外出先で勉強する派の人に最適です。
掲載されている基本単語は下記のようなものです。
●「a」「the」「all」「every」「each」などの機能語
●「talk」「make」「have」「take」などの主要動詞の違い
●「can」「may」「must」「will」「should」などの助動詞の違い
●「at」「in」「of」などの前置詞
●「and」「but」「as」「since」などの接続詞の違い
●現在形・過去形・進行形・完了形の時制の違い
●「very」「so」「quite」などの強調表現の違い
●「hardly」「often」「rarely」などの頻度表現の違い
などが、目次と巻末の索引(単語別)が便利で調べやすいです。
この本は、
まだ「一億人の英文法」が出る前に購入したものなのですが、
当時、この本のお陰で
イメージのつかみにくかった文法関連の基本単語はかなりスッキリ理解できるようになりました。
中・上級者向け文法書
『例解 和文英訳教本 文法矯正編』
100冊以上の英語・TOEIC書籍を持っていますが、
個人的には確実にベスト10に入る良書です。
この本は、
厳密には文法書ではなく、英作文本・和文英訳本です。
一見、大学受験向けっぽいタイトルに聞こえますが、
社会人も学びやすいように配慮されていて、
実際の会話で使える文法が丁寧に説明されています。
瞬間英作文や英会話をやり始めて慣れてくると、
「a か the か迷う」
「現在形か進行形か迷う」
「IF節を使うか、WHEN節を使うか迷う」
みたいなケースがよく出てくるのですが、
この本はそういった文法の悩みを解決してくれます。
「一億人の英文法」で、
文法に関してはある程度のイメージはつかめるようになりますが、
実際にそれをスピーキングで使い分けられるようにするためには
トレーニングが必要になります。
この本は、「一億人の英文法」で理解した文法事項を、
英作文することで「使える文法」にしてくれる本だと感じています。
3. 自分に合った文法書の選び方
「これだけ文法書があるとどれを買ったらいいか分からん!」という方も多いと思いますので、
自分に合った文法書の選び方を伝授しましょう!ヾ(゚Д゚ )
1) 不明な文法事項をメモする
普段、TOEIC対策本や英会話本などのテキストで勉強していて
出会った不明な文法事項を、いくつかメモしておきます。
2) Amazonレビューなどネットの情報をチェック
Amazonやネット上の情報をチェックして、すでに文法書を利用している人たちの感想を読みます。
3) 実際に本屋さんでチェック
実際に本屋さんに行ってみて、
1)でメモした不明な文法事項を、複数の文法書でチェックしてみます。
それで「これが一番わかりやすい」
「これが自分に一番合っている」と感じたものを選ぶと間違いが少ないです。
4) 迷ったときは、直感・好みで選ぶ
もし、「比較は、こっちのほうが分かりやすいけど、
現在完了についてはあっちのほうが分かりやすいな」と迷うようであれば、
とりあえず今はどっちか1冊、自分が好きなほうを選んでおいて、
お金に余裕ができたときに、もう一方を買うといいです。
どの文法書にもメリットとデメリット両方がありますし、
1冊の文法書で、
英語のすべての文法事項をまかなえるはずがないと思うようになってきました。
今は「一億人の英文法」と
「表現のためのロイヤル英文法(電子辞書に入ってる)」を持っています。
余裕が出てきたら書籍版「Forest」も買うかもしれません。
実際、英語上級者の方々を見てますと、皆さん複数の文法書を持っていらっしゃいますし。
3.文法を「分かる」→「使える」にする学習法
Step 1 文法書の通読
学生時代に英語をそこそこ勉強された方は、
この【Step 1】は飛ばして下さい。
万一、苦手な文法項目が残っていたとしても、
【Step 2】で復習することになるので大丈夫。
ですが、英語が超苦手な方、
学生時代に英語を完全にサボってしまったという方は、
下記でご紹介する本のうちどれか1冊を1周通読して下さい。
「一億人の英文法」や「Forest」などの分厚い文法書だと、
1周が精一杯だと思いますが、それ以外の薄めの本なら、
反復回数が多ければ多いほど、
文法事項の定着度は高まり、英語力は向上しやすいです。
Step 2 文法項目別の瞬間英作文本を数冊
個人的に最近お気に入りの英作文本「例解 和文英訳教本」の著者・小倉弘さんが
英作文を勉強してはじめて文法が分かる。
…使えてこそはじめて英文法を学習する意味がある。
とおっしゃられてまして、「確かにそうだ!ヾ(゚Д゚ )」と思いました。
英語を勉強されている方で、
「別に話せなくても、書けなくてもいい。英文を読めればいい。」というような方は、
ゼロではないと思いますが、
たいていの方は4技能ともにできるようになりたいと考えておられるのではないかと。
そして、スポーツも楽器も、
習った後にトレーニング・練習をしますよね?
文法もそれと同じで、文法書で理解した後は、
その理解した内容を使いこなせるようにするためのトレーニングが必要になります。
それが、当ブログで猛プッシュしている、瞬間英作文 です。
瞬間英作文とは、
日本語訳を見て瞬時に英訳するトレーニングのことで、
これがスラスラできるようになると、スピーキングができるようになるのと同時に、
(正確な発音で)瞬時に言える英文
= 瞬時に聞き取れる・読める英文
になります。
瞬間英作文 最新おすすめ本・教材&効果的なやり方 でご紹介している「文法項目別」の瞬間英作文本を、
●英会話ができるようになりたい人:最低3冊
●TOEICをやる人:最低1冊
やることをお勧めします。
文法・構文的に正確な英文を作成できるスピードが速くなればなるほど、
リスニング・リーディングで理解できるスピードも上がりますし、
多くの英文が作成できると、
それだけリスニング・リーディングで理解できる英文も増えます。
「文法項目別」の瞬間英作文本を3冊くらいやると、
似たような英文にたくさん触れることになるので、
簡単な日常会話であれば、何とか言えるようになると思います。
ただ、英語ペラペラには程遠いレベルなので、
英語ペラペラになるまで瞬間英作文は続ける必要があると感じています。
また、TOEICをやる人は、
文法項目別の瞬間英作文を1冊やった後に、
お持ちの公式問題集や模試のPart 1・2の英文を使って瞬間英作文することで、
Part 1・2に強くなり、
リスニング力も上がって(特に疑問文に強くなる)一石二鳥です。
Step 3 不明な文法項目は常に調べる
900点前後の僕でも、文法書で調べることはまだあります。
「英語力は、辞書・文法書を引いた回数に比例する」という格言ありますが、
今まで5000時間近く勉強してきて、
この格言は体験的にも間違いないと感じています。
また、TOEICをやる人は、
特にPart 5・6、Part 7を勉強するときに文法書を使い倒して下さい。
そして、AM(アビリディーズメジャード)のリーディングセクションの5番めの項目
「文法が理解できる」が、9割を超えるまで頑張りますと、
中学・高校レベルの文法はほぼ完璧となり、
英文もかなり読みやすくなります。
ですので、今後も不明な文法(語法・構文も)が出てきたら、
その都度、文法書や電子辞書などで調べるようにしましょう。
【補足】文法書関連の別売りCDは不要
文法関連の本は、
CDが別売りされていたりしますが、
必ずしも買わなくていいと思います。
文法書はあくまでも文法事項を理解するための本なので。
CDを聞いて音読したりするトレーニングは、
英会話系のCDを使ったり、
TOEICのリスニングのCDを使って練習したほうがいいと思います。