糖尿病になってしまうと・・・
目が見えなくなる
足が悪くなって歩けなくなる
頭の血管が詰まるらしい
人工透析をしないといけなくなるらしい
と、いろんな怖いイメージがあります。
確かにそういった症状になることもあり、
とても怖い病気であることに間違いはありませんし、
生活を本当に不便なものにしてしまう色々な症状を起こします。
でも、案外知られていないことの中に、
糖尿病は、「 歯の病気 」 の原因になることがある。
ということがあるんです。
歯の病気ですか?
はい。そうなんです。
糖尿病は歯や口の病気とふか~い関係があるんですよ。
ところで、最近、歯が痛むことはありませんか?
治療に行ったけれどなかなか治らない、なんてことはありませんか?
もしかすると、それは単なる虫歯と言うよりも、
糖尿病や高血糖が原因の虫歯かもしれませんよ。
でも、なぜ?
糖尿病や高血糖が虫歯の原因なの?
とても不思議ですよね。
私も始めそう思いました。
でも、調べてみると結構これ、
因果関係があるようなんですね。
口の中というのは、
ご存知のように血管がかなり集中している所ですね。
口の中を少し切っただけで、
ドバッ!とたくさんの血が出てきてしまって、
びっくりした、
何てことは誰にでも一度くらいは経験があると思います。
それぐらい、口の中は血管がたくさん通っていて、
豊富に血が流れているわけなんですね。
さて、糖尿病や高血糖状態だと、
血液の流れが悪くなるということは、
このサイトで何度も触れています。
高血糖というのは、正常な状態よりも、
血液中に糖分がいっぱいあり余っている状態ということです。
ちょうど砂糖を入れすぎたコーヒーの底に、
ドロッとしたコーヒーが残っていて、カップを傾けて飲もうとしても、
なかなか落ちてこない、なんてそんな状況を思い出してください。
つまり、砂糖が多いとドロッとしていて、
とにかく流れにくくなるんです。
血液もそれとまったく同じで、
高血糖のため糖分が多くなってしまった血液は、
血管の中で流れにくいんです。
血液は、体の各細胞に酸素や栄養を運び、
そして老廃物を受け取るというとても大切な役目を果たしていることは、
よく知られていますね。
しかし、その大切な役目を果たしている血液が流れにくくなるということは……
細胞に栄養や酸素が渡らない!
という、とても危険な状況になってしまいます。
そうなると、細胞が元気がなくなっていきます。
だって、酸素や栄養を受け取れないんですからね。
元気がなくなって当然です。細胞が元気がなくなると、
口の中の細菌に対する抵抗力が弱くなってしまい、
細菌が繁殖しやすい状態になってしまうんですね。
つまり虫歯になりやすい状態になっているという事です。
もし、口の中がそういう状態になっていると、
虫歯になってしまうこともそうです。
治療してもすぐに又虫歯になってしまう、
あるいは治療が全然うまくいかない、という事もあるんですよ。
また、虫歯だけでなく、歯周病にも注意が必要です。
歯周病とは、歯垢が溜まることによって起こる感染症、
と言われていますが、細胞が元気がないために、
同じく感染症に対する抵抗力もなく
歯周病になってしまう場合もあります。
そしてそのような感染症にかかると、
血糖値が上がるということも報告されており、
悪循環に陥ることもあります。
血糖値が高いので歯の病気になりやすくなり、
歯の病気になると血糖値が上がってしまうという、
正に悪循環です。
歯医者さんは、
高血糖だと治療をしても治らなかったり、
治りにくいことをよく知っているため、
治療をしてくれない場合もあり、
歯や歯ぐきが痛むのに治療してもらえないという、
大変困ったことにもなるんです。
ある患者さんの話ですが、
歯医者さんには「血糖値を下げてからまた来てください」と言われ治療してもらえず、
そうしているうちにどんどん悪くなっていき、
結局大がかりな治療を受けないといけなくなったそうです。
そうならないためにも、高血糖にならないことはもちろんですが、
糖尿病や糖尿が気になる方は、
日ごろの歯のお手入れが重要です。
虫歯や歯周病の原因の歯垢は、
食後約30分くらいからできてしまうので、
食後30分以内の歯磨きは必須なんですね。
柔らかめの歯ブラシで、
歯ぐきを傷つけないようにしながら、
丁寧に磨きましょう。
また、歯だけではなく、
舌を磨くことも最近はよく強調されますね。
舌には歯以上に、
汚れや菌がいっぱい溜まっています。
高血糖の場合、
菌に対する抵抗力が弱くなっていますので、
舌をよく磨いて口の中をいつも清潔にしておくことも大切ですよ。
近ごろよく歯が痛む、歯医者に行っても治らない、
もしそんな事があれば、それは歯医者さんがヤブ医者なのではなく、
糖尿病や高血糖が原因なのかもしれませんよ~!
でも実際は、なかなか食事制限や運動などを頑張っていても、
なかなか数値が下がらないと悩んでおられる方は多いのです。