たとえば勉強する部屋に、
気になるものを置かないことにより、
気が散ることもないのです。
勉強の最中に、
目の端にゲーム機や漫画の本棚が見えると、
それを脳のワーキングメモリが取ってしまいます。
ワーキングメモリは
短期記憶を担当する場所であるので、
パソコンのメモリのように、
とても容量が少ない脳の部位です。
また思考や判断の場でもあって、
その意味では
メモリとCPUを兼ねたような役割をもっています。
大脳は全身を統制する中枢ながら、
大脳の前方にある前頭前野は
「中枢のなかの中枢」といわれています。
容量が少ない部位だけに、
なにか気になることがあると、
すぐにそのことが前頭葉のワーキングメモリを支配してしまって、
周りが見えなくなるくらいの危険をもっています。
恋愛に夢中になると、
周りが見えなくなり、
今まで頑張っていたことも手放してしまうのは、
ワーキングメモリが恋愛感情に占拠されてしまからです。
そのほか悩み事や辛い経験があると、
そういったこともワーキングメモリを占領してしまい、
勉強への集中力を削ぐ一因なのです。
試験で緊張しすぎると、
緊張感がワーキングメモリを牛耳ってしまって、
頭が真っ白になります。
もともと勉強をいやいや行なって
集中できていない状態にあるなら、
一段と周囲の漫画やゲーム機、
フィギュア、アイドルのポスターなどが目に入る事により、
注意がそれちゃってます。
すると、そういったことが
ワーキングメモリを占領してしまうことに・・・。
これを回避するために、
独学をしている人は、
勉強専用の部屋を設けると良いかもしれません。
五感のうち、
とくに視覚経由からの余計な情報をカットするためです。
また勉強部屋に入るだけで、
条件反射的に、
気分が勉強モードになるという効果も期待できます。
色彩心理学では、
緑色がもっとも集中できる色といわれています。
ですからカーテンやカーペットなどの
カラーを緑色(グリーン)にしてみると、
さらに良い結果を生むかもしれないのです。
部屋の色がピンクとか赤とかオレンジ系統では、
せっかく勉強部屋を確保しても、
集中力に悪影響を与える可能性があります。
いずれも、周囲の音がうるさければ耳栓をするなどして、
騒音対策をすることも大切です。
騒音がワーキングメモリを占拠し、
かき乱してしまう危険があるからです。
蒸し暑い場合は
温度・湿度対策もする必要があります。
このように、快適で気の散らない環境というものも、
勉強の集中力アップには重要です。
どうしても、
そのような環境をつくれないという人は、
静かで快適な図書館や自習室などに
場所を移動してもいいでしょう。
周りの人たちが一所懸命に勉強していれば、
それに引っ張られて、
やる気にもなるものです。