高校受験や大学受験の対策では、
「基本となる受験参考書は、
できるだけ1冊に絞るように」という
アドバイスが一般的です。
同じ文章を繰り返し読んだほうが、
脳内に長期記憶として定着しやすいからです。
また、どの参考書もテキストも、
書いてあることは似たり寄ったりなので、
1冊だけで十分ということなのだと思います。
しかし、参考書を1冊だけに絞らなければいけない、
という決まりはありません。
もしお金に余裕があるなら、
2冊以上の参考書を持ったっていいのです。
複数冊の参考書を所持しておくことには、
どのようなメリットがあるでしょうか?
並行して読むだけで、
しぜんに復習になる
ほかの参考書に書いていないことが、
書いてあったりする
参考書内の記述にある「誤り」を見抜ける
どれも似たような内容ですから、
ふつうに併読していくだけで復習になります。
「ああ、これはあの本で読んだな」といったことが
頻繁に起こります。
これが、もし1冊だけに限定した勉強方法だと、
あらためて「復習の時間」を取らなければなりません。
そういったことが面倒くさいとか、
手間に感じるという人は、
複数冊を同時に読み進めていってはいかがでしょうか?
この勉強法なら、
後戻りすることなく、
ただ前進していけばいいので、とても楽になります。
つぎに複数の受験参考書を併読するメリットとして、
記述のもれを補い合うことができるという点があります。
欠落ということではなくても、
それぞれの参考書は、
独自の色を出していたりします。
初級者用、中級者用、上級者用、
試験前・テスト前の対策、まとめ用などなど・・・。
コンセプトの違いから、
おのずと収録されている内容にも
違いが出てきて当然といえます。
3つ目のメリットとして、
参考書のなかの間違いを見抜けるようになるという点があります。
これは冊数によって異なってきます。
まず2冊の場合ですが、
これだけでは、
両者の内容が異なっているというだけで、
どちらの記述が正しいのかの判断はできません。
ところが、
ここにもう1冊加え、
3冊になったとしたら?
3冊のうち、
2冊は同じことを言っている。
1冊だけ違うことが書いてある。
そうなると多数決で、
2冊に書いてあるほうが信頼できる可能性があります。
もちろん、そうとは限りませんが・・・。
しかし、少なくとも2冊だけの比較よりは、
信頼できるのではないでしょうか。
「2つ」と「3つ」は大きな違いなのです。
物理的にも2点では不安定ですが、
3点で支えると安定します。
もし4冊、5冊とあれば、
この判定法は、もっと確実になります。
今はインターネットが自宅でできますから、
2冊の参考書があれば十分かもしれません。
どちらかの記述で食い違いがあれば、
ネットで調べる。
それでおおかた、
判明するのではないでしょうか。
町医者でさえ、
平気で間違った知識を言っている現状があります。
医者によって、
言っていることに食い違いがあったりするのです。
そのため専門家が執筆した本だからといって、
鵜呑みにするのは危険です。
内容の記述が「おかしいな」と思ったら即、
ネットの検索で調べれば、
その誤りが一目瞭然になります。
いまはパソコンとネット環境さえあれば、
各人が専門家の意見を簡単に知ることができる時代なのです。
以上の勉強の仕方は、
学校の入試や、
難関の国家資格の勉強だけに限りません。
普段、なにかに詳しくなるために本を読むようなときにも、
役立ちます。
1冊だけでは、
本当に正しいことを言っているのかわかりません。
また読む端から忘れていってしまっては、
もったいないといえます。
それを防ぐ対策として、
似たような本を同時進行で
読み進めるという方法が役に立つのです。
あとがき
参考書には
中学受験や大学センター試験など、
いろいろな分野のものが書店に、
所狭しとならんでいます。
たくさんありすぎて、
どれか1冊に絞ろうとすると迷ってしまうものです。
そういったときは、
よさそうな受験参考書を
2,3冊選べばいいのではないでしょうか。
あるいは最初は1冊だけにしてみて、
それでしばらく学習し、
あまりしっくりこなかったら別の本を買ってみる。
そのさい1冊目の本は中止するのではなく、
2冊目の本と同時進行で進めていくと、
このページに書いてあるようなメリットが得られます。
参考書にも
国語(古文、漢文、現代文)や理科(物理、化学、生物)といった教科や、
歴史(日本史、世界史)、
地理、現代社会、公民、倫理といった社会科の科目、
数学、語学などがあります。
このなかで英語に関しては、
英単語集を複数もつのも、
おもしろいかもしれません。
ひたすら1冊の単語帳を繰り返すことも悪くはありませんが、
ともすれば「単調」になる危険があります。
人間の脳は、単調になると、
それを取り込まなくなる性質があります。
眠い話をする先生のしゃべっていることは、
脳に入ってきませんよね?
そのため変化をつけるという意味でも、
いろいろな英単語帳を同時並行で学習するわけです。
英語の文法(英文法)にも活用してみましょう。
このように複数冊の参考書を使うということは、
単調さを退け、
入試試験の勉強に新鮮さを取り入れることになります。
そうなると
海馬が喜んでシータ波が発生するので、
記憶力や集中力が高まるという効果を見込めます。
ネットでは、
オススメの参考書ランキングなどがあります。
けっきょくは実際の書店に行ってみて、
「はじめに」とか「もくじ」を見てみたり、
中を少し読んでみたりするほうがいいと思います。
文章が分かりづらい本もありますし、
簡単すぎる場合もあるからです。
ほかの人がいいと言っていても、
自分のレベルに適合しているとはかぎらないのです。
本屋で選ぶ場合は、
絶対に1冊にしなければと気張る必要は、
まったくありません。
もし合わないなら、もう1冊購入して、
同時進行で学習していくスタイルをとればいいのです。
2冊ともしっくりとこなければ、
3冊目を購入するだけです。
同時進行で読めば、
全部の参考書が役に立ちます。