TOEIC受験者の多くは、
「スコアだけでなく、実力も伸ばしたい!」と、
考えておられる方が大半だと思うのです。
「TOEICのスコアは高いけど、実力ともなってないじゃん」
「TOEIC 900点持ってるのに話せないの?」
って言われたくない。
そんなわけで、
スコアも実力も同時に向上させるための勉強法をまとめてみました。
●TOEICは”英語力だけ”でも満点が取れる
TOEICは、英語力があれば高得点が獲れる。
となると、
「TOEICに必要な英語力を身につけるにはどうしたらいいのか?」という話になります。
●「TOEICに必要な英語力」を身につけるには?
今の時代、英語力を向上させる方法は、
いくらでもありますよね。
どんな教材でも、きちんとやり続ければ英語力は上がります。
ですが、この記事をご覧になられている方は、
少しでも早くTOEIC高得点を取りたいと思っておられるはず。
プロ野球選手になりたいのであれば、
軟式ではなく、硬式のバットとボールで、
練習したほうがいいのと同様、
TOEIC高得点をめざすのであれば、
TOEICに最適化した英語力を身につけたほうが時間対効果は高いはずです。
では、そのTOEICに最適化した英語力を身につけるには、
どうしたらいいかというと、
信頼できる著者(=TOEICを毎回受験し続けている著者)の
模試・問題集と公式問題集でトレーニングすることです。
TOEICを毎回受験し続けている著者は、
当然、TOEICの最新の傾向やよく出る語彙・問題を熟知していますし、
公式問題集はTOEICを実施しているETSが作った問題集です。
つまり、これらのテキストの
音声・英文・問題を使ってトレーニングすると、
●TOEICによく出る語彙・表現
●TOEICによく出る問題・選択肢のパターン
●TOEICによく出る会話・トーク・文書のパターン
が自動的に身についてくるのです。
信頼できる著者の模試(+問題集)と、
公式問題集の音声・英文・問題を使って、
徹底的にトレーニングすれば、
最も効率的にTOEICに必要な英語力が身につくのです。
●将来英会話をやる→「瞬間英作文」をメインに
TOEIC目標点達成後に英会話にシフトするつもりの方は、
「瞬間英作文」をメイントレーニングの1つにすることをお薦めします。
瞬間英作文は、
ご存じの方も多いと思いますが、
森沢洋介さん が提唱されている、
和文を見て瞬時に英訳するトレーニングで、
何度も繰り返し、そして、量をこなすことで、
瞬時に英文を組み立てることができるようになる=英語がスラスラ言えるようになります。
TOEICの英文を使って瞬間英作文すると、2つのメリットがあります。
●英会話の下準備になる
TOEICのリスニングセクションに出てくる語彙・表現は、
実際の英会話でよく使われます。
TOEIC 800点を超えてからこの2年間、
フィリピン人、ロシア人、ベネズエラ人、
ドイツ人、イギリス人、ノルウェー人など、
いろんな国籍の人たちとやりとりしてきました。
TOEICで慣れ親しんだ語彙・表現はよく聞き取れますし、
瞬間英作文でトレーニングしたものは、
わりとスラスラ出てくるんです。やっててよかったTOEIC。
瞬間英作文トレーニングだけで、
ネイティブ並みにペラペラにはならないですが、
瞬間英作文でトレーニングしておくことで、
将来始める英会話の下準備になることは間違いないです。
「今はスコア重視だけど、目標点取得後はすぐに英会話を始めて、
話せる900点ホルダーになりたい」という方は、
ぜひ瞬間英作文を取り入れていって下さい。
●リスニング・リーディングも伸びる
瞬間英作文は、
英文を組み立てるトレーニングなので、
一見すると、スピーキングやライティングにしか、
効果がないように思えるかもしれません。
ところがどっこい、
リスニング・リーディングにも大きな効果があります。
というのも、
(丁寧な発音で)自分で瞬時に作れる英文
=瞬時に聞き取れる英文、瞬時に読める英文
になるからです。
ある英文をスラスラ言えるということは、
その英文に使われる語彙・表現・文法が使われる状況をきちんと理解していて、
しかも慣れ親しんでいるということなります。
そういう英文は、瞬時に聞き取れますし、瞬時に読めます。
ただ、リスニングで聞き取れるようにするためには、
前提条件として、発音、音の連結・消失を学んでいる必要があります。
瞬間英作文トレーニングだけだと、
その発音、音の連結・消失を覚えていくことはできないので、
「オーバーラッピング・シャドウイング」のトレーニングも、
同時並行でやっていく必要があります。
この点については、後述します。
学生時代の勉強量、文法の得意不得意、
現在の英語力にもよりますが、
1つの目安として、600点をめざすのであれば、
模試のテスト2回分の音声・英文・問題を使ってトレーニングすれば、
600点を取るのに必要な英語力・テクニックは身につきます。
目標スコア別に、必要な問題数の目安を挙げておきますね。
● 600点をめざす ▶ テスト2回分(400~600問)
● 730点をめざす ▶ テスト4回分(800~1200問)
● 800点をめざす ▶ テスト6~10回分(1200~2000問)
● 900点をめざす ▶ テスト10~15回分(2000~3000問)
もし「目標スコアに到達していない」「スコアが伸び悩んでいる」という方は、
1) 解いている問題数が足りない
2) 問題数はこなしているが、1冊1冊のトレーニング量が足りていない
のどちらかに該当していると考えられます。
詳細については、「TOEIC 730点・900点を取るのに必要な勉強時間と問題数」をお読み下さい。
●「3回チャレンジ法」をベースにする
模試や公式問題集を解くとき、
またその後の勉強法は、
ヒロ前田先生が提唱されている「3回チャレンジ法」を
ベースにやっていくことをお薦めします。
3回チャレンジ法でトレーニングすると、
自分の弱点をより正確に把握することができるからです。
ここでは、
その3回チャレンジ法をベースにした勉強の進め方を詳しく書いていきます。
Step 1:時間を測って解く(チャレンジ1回目)
模試・公式問題集なら、
通常通り、時間を測って解きます。
必ずマークシートも使って下さい。
本番と同様の環境化でトレーニングすることが、
本番に強くなる秘訣の1つです。
また、解き終わっても答え合わせはせずに、
Step 2に進みます。
このステップで答え合わせをしてしまうと、
Step 2ができなくなってしまうからです。
パート別対策問題集などであれば、
1セットもしくは1ユニット(1章)解いて、
Step 2に入るといいと思います。
Step 2:時間無制限で解く(チャレンジ2回目)
今度は、時間無制限で、
音声は何度聞いていいので、
自分の実力だけで解きます。
このときもまだ、
辞書や文法書はまだ使いません。
解き終わっても、
まだ答え合わせはしません。
時間無制限で解くのは、
自分の素の英語力だけで、
どれだけ解けるかを明確にするためです。
時間を測って解いているときは、
模試とは言え緊張しますし、
時間的に余裕がなくて解けなかったり、
消去法で正解してしまったりします。
ですが、時間無制限で、
音声を何度も聞いて問題を解くことで、
自分の弱点をより正確に把握することができるのです。
Step 3:音声で「ディクテーション」
時間無制限で解いた後は、
Part 1・2の音声を使って、
「ディクテーション」をやっていきます。
ディクテーションというのは、
スクリプトを見ずに、音声を聴いて、
紙に書き取る、もしくはパソコンでタイピングする訓練法です。
個人的には、
トレーニングというよりも、
聞き取れない発音、音の連結・消失を見つけ出すための仕分けと考えています。
Part 1・2の音声で、
ディクテーションがスラスラとできない=聞き取れる発音、
音の連結・消失のストックがまだまだ少ないということになります。
(リスニングで350点未満だと、こんな感じのレベルだと思います)
●Part 1・2のディクテーションのやり方
ディクテーションのやり方としては、
Part 1・2ともに、1題ずつやっていくといいです。
【Part 1・2のディクテーションのやり方】
1) 1文目(Part 2なら設問)の音声を数回繰り返し再生して書き取る
2) 今の実力ではこれ以上書き取れない→次の文(Part 2なら選択肢)に進む
3) 4文(Part 2なら設問と選択肢3文)が終わったら、答え合わせをする
注意点としては、1文に1分以上時間を掛けないこと。
ディクテーションは、
上述したように、トレーニングというよりも、
聞き取れない発音、音の連結・消失を見つけ出すための診断ツールにすぎないからです。
Part 1ならとにかく10題、
Part 2なら30題を一気にやってしまい、
聞き取れなかった or うろ覚えだった発音、
音の連結・消失の部分をチェックし、
Step 5「オーバーラッピング・シャドウイング」で覚えていくようにしましょう。
また、英語初心者の方、
リスニングが苦手な方は、
「リスニングの音の聞き取りがラクになる!7つの発音ルール」を一読しておくと、
近い将来幸せになれると思います。
Step 4:英文スクリプトの「精読」
ディクテーションが終わったら、
Part 1・2の会話・トークの英文スクリプト・設問・選択肢の「精読」に入ります。
「精読」というのは、
英文を正確に理解する作業のことで、
【精読の際にチェックすることリスト】
1) 発音・アクセント、音の連結・消失
2) 語彙の意味・品詞
3) 文構造
4) 文法・構文
5) 類語の違い・使い分け
6) 言い換え(パラフレーズ)分析
などをチェックします。
精読せずに(=英文をきちんと理解せずに)、
ひたすらシャドウイングや瞬間英作文などのトレーニングをやるというのは、
種を蒔かずにひたすら水をやるくらい無益なものになるのでご注意(`・ω・´)b
Step 5:オーバーラッピング・シャドウイング
Part 1・2の音声と英文を、
ディクテーションと精読で正確に理解したら、
「「オーバーラッピングとシャドウイング」」で、
トレーニングしていきます。
ディクテーションで聞き取れなかった発音、
音の連結・消失を中心に、
オーバーラッピング・シャドウイングで1日30分~1時間を、
2~3週間くらい毎日トレーニングすることで、
脳に発音、音の連結・消失を覚えさせることができます。
目安としては、シャドウイングで、
音声の通りにつまらずになめらかに言えるようになれば、
とりあえずOK。
注意点としては、完璧をめざさないこと。
8~9割くらいできるなと思ったらそれでOKです。
そもそも、「完璧」の定義が難しいですし、
完璧を追求し始めると、いつまで経っても先に進めません。
完璧をめざすよりも、
その時間を、他のパートや次の模試のトレーニングに回して、
より多くの音を聞き取れるようにしたほうが効率的、
というのが、英語を5000時間勉強してきた、
元完璧主義者(笑)の自分の感想です。
2~3週間くらいトレーニングしてなめらかに言えるようになったら、
次のパート、もしくは次の模試・問題集に進んでまたトレーニングしていきます。
これを繰り返していくことで、
徐々に自分で再現できる発音、
音の連結・消失のストックが増える=聞き取れる割合が増えていきます。
Step 6:瞬間英作文
時間のある方は、
Step 5のオーバーラッピング・シャドウイングのトレーニングと並行して、
時間のない方は、オーバーラッピング・シャドウイングが終わった後に、
Part 1・2の英文スクリプトを使って、
上述した「瞬間英作文」でトレーニングしていきます。
瞬間英作文トレーニングの流れをまとめておきます。
【瞬間英作文トレーニングの流れ】
(1) 和文(トリガー)を見て英作文する(あまり時間をかけない)
(2) すぐに英文スクリプトで答え合わせ
(3) 英文を見て3~5回音読
(4) 英文を見ずに3~5回コピーイング(状況をイメージしながら暗唱)
(5) 1ページ分終わったら再度上から軽く英作文
とにかくあまり時間をかけすぎないことです。
(1)で英文が瞬時に出てこなければ、
すぐに答えを見てください。
瞬間英作文なので、
瞬間的に出てこなければアウトです。
Part 1なら模試1セット10題(40文)当たり1時間~1時間半、
Part 2なら10題(設問10文+選択肢30文)当たり1時間~1時間半で終わらせましょう。
(Part 2は30題あるので、Part 1の約3倍、トレーニングに時間がかかるはずです)
Part 1・2それぞれ20周ずつやって下さい。
1周目はかなりツライですが、
10周を超えるとほぼ間違えなくなり、
20周やると、かなりスラスラ言えるようになってくるはずです。
●TOEIC対策本は瞬間英作文がやりにくい…
TOEIC対策本で瞬間英作文をやる場合の欠点は、
たいていの模試や問題集は、
瞬間英作文(和文英訳)しやすいレイアウトには、
なっていないってことです(´-﹏-`;)
「公式問題集」や「超リアル模試」の解説編は、
まだ瞬間英作文がやりやすいレイアウトになっていると思いますが、
こういうのはごく少数です。
このTOEICの英文を使っての瞬間英作文は、
リスニングで400点を超えてから本格的に始めたのですが、
もっと早くに瞬間英作文の効果に気づいて始めていれば、
もっと早くに900点台に到達できたと考えています。
ここで、リスニングで聞き取れなかった部分の対処法をまとめておきます。
Part 1・2で聞き取れなかった音声
●音が聞き取れなかった → オーバーラッピング&シャドウイング
●音は聞き取れたが意味がつかめなかった → 瞬間英作文
Step 7:試験前に再度解く(チャレンジ3回目)
上記のトレーニングの流れで進めて、
Part 1が終わったらPart 2へ、
Part 2が終わったら次の模試・問題集に進み、
またStep 1から始めるという感じです。
そして、TOEICテスト1週間前になったら、
再度時間を測って、模試を解き直します。
これが3回チャレンジ法の3回目になります。
このときに、間違えた問題はきちんとチェックし、
その原因を突き止めて下さい。
また、聞き取れなかった音声もチェックして、
「音が聞き取れなかった」のか、
「音は聞き取れたが、意味がつかめなかった」のかを見極め、
再度トレーニングし直すことも大切です。
上述したように、
模試15回分の音声と英文を使ってきちんとトレーニングできれば、
トータル900点(リスニング450点以上)は取れるはずです。
ですが、
現在リスニングセクションで400点を超えてきた方で、
450点をより確実に取るためのアドバイスをいくつか書いておきます。
●リスニングで450点取る人が見てる景色
独学で、リスニングセクションで450点以上を取る人は、
テスト中、次のように感じています。
【Part 1】
●写真を見た瞬間に、正解文や不正解文が思い浮かぶ
【Part 2】
●設問を聞いた瞬間に、正解文や不正解文が思い浮かぶ
●文頭から瞬時に聞き取れるので、消去法ではなく、自信を持って正解を選べる
【Part 3・4】
●設問・選択肢を先読みした瞬間に、会話・トークの流れが浮かぶ
●音声の1文目を聞いた時点で、流れのパターンが何となく浮かぶ
●先読みができなかったとしても、聞くべきポイントがだいたい分かる
もし、
「模試や問題集はテスト15回分以上こなしてるけど、
このレベルに到達していない or リスニングセクションで450点に届いていない」という方は、
問題を解いた後の、復習とトレーニングが足りていないのが原因と考えられます。
●テスト1週間前は模試1セット解く
上述してますが、テスト1週間前になったら、
時間的に可能な方は模試1セット、
時間的に厳しい方は、
リスニングパートかリーディングパートを1セット解くようにすることをお勧めします。
可能な限り本番と同様の(もしくはより負荷の高い)
状況下・環境下で毎日トレーニングすることで、
本番では精神的に余裕を持って受けることができるようになります。
特に、Part 1・2の鉛筆移動ワザ、
Part 3・4の先読み、
リーディングセクションのタイムマネジメントなどは、毎日解いてないとできません。
ですので、800点を超えてきたら、
せめてテスト前は模試を毎日解くことをお勧めします。
また、解く模試については、
過去に解いた模試をやり直しつつ、
新しい模試も解いて下さい。
特に800点台半ば~後半でウロウロしているような人は、
過去に解いた模試は余裕で解けちゃったりするので、
新しい模試・問題集も解いたほうがいいと思います。