誰もが羨むポジションにいても、
誰もが到達できない高みにいてさえも、
人はやはり多くの迷いや葛藤の中に生きているのだなと、
そう思わせる15周年ハワイでの大野くんの涙。
その理由はなんだったのでしょう。
押しも押されぬ今だからこそか
正直、今の嵐は無敵といってもいいほど、
名実ともに誰もが認める日本のトップアイドル集団ですよね。
でも、だからこそ、今回の15周年という歳月が、
実はどんな15年だったのかが気になってはいました。
ハワイデビューから今日まで、
ずっと売れ続けてきたような印象ばかりでしたが、
もちろんそんなことはなく、
一人一人が思い悩んでいたことが、
３０代になった今だからこそ、
告白できるということなのでしょう。
男泣きの理由とは!?
５人だけのトーク場面で大野くんは
嵐をやめようと思ったことを告白。
その理由というのが
「2006年くらいから、正直やめようと思ったの。
この仕事をしていたら出来ないことに興味を持ち始めた。
海外を放浪したくなっちゃった。単純に自由になりたいみたいな気持ちで、
この気持ちのまま（メンバーとは）一緒にいれないなって。すごい葛藤していた」
（ＲＥＡＬ SOUNDより引用）
正直、これを聴いて、
なんだかほっとする気持ちもありました。
そんなかつての自分の正直な感情を長いこと、
押し殺してきたわけですから、
それを告白できるということでどれだけ心が軽くなっただろうかと。
思えばです。
まだ部活動に励んで将来、
未来のことなど霧の中のような年齢に
嵐は結成されたわけです。
それも自分たちが選んだものなど
おそらくないほどに大人の事情で、
組み立てられた枠の中で始まった「嵐」というアイドルグループ。
デビューしたはいいものの、
本当にこのまま一生やっていけるのだろうか。
やっていかなくてはいけないのだろうかと思い悩み、
葛藤する時期は何度もあったに違いないわけです。
それがたとえ順風満帆なものであったにせよ、
そうでなかったにせよ、
始めたものはこのままずっと続けなくては、
いけないのかというプレッシャーに疑問や不安を感じないほうが、
おかしいといってもいいぐらいなのです。
そしてやはり大野くんは、
葛藤していたわけですよね。
一般人にしてみても、
社会人になって、
最初に勤めた会社に定年まで、
勤めるなどという世界ではとうになくなっています。
少ない人でも２度や３度は職場を変え、
それでも自分の居場所は本当にここなんだろうかと、
葛藤につぐ葛藤で日々悩み苦しむというもの。
ならば、歌手としてデビューしたからといって、
それ以外の「何か」になりたいと思う心は、
あまりに自然な欲望だと思うわけです。
ただ、一般人と嵐に違いがあるとすれば、
引き継ぎをすれば昨日と今日の仕事内容に、
さほどの質的な差が生まれないという会社生活に対し、
大野くんの代わりは誰もいないという、
有難いといえば有難いですが、
プレッシャーといえばこれほどの
プレッシャーもない状況です。
嵐の一員であることの幸せ
多くの人々に、
「尋常じゃないくらい祝ってもらった」ことで、
自分が嵐の一員であることの幸せに気付いた、
という大野くん。
個人であると同時に、
嵐をつむぐ間違いなく太い一本の糸である
ことに思いを馳せたということでしょう。
実際、大野くんのいない嵐は
もはや嵐ではありません。
それは誰１人として欠けることが、
あっては成り立たない嵐という細胞なわけです。
「ハワイに来て、
もやもやしていた気持ちとかすごく思い出しました。
でも、15年経った今、そのときに感じていた、
もやもやの気持ちや葛藤はありません。
メンバーのみんなだったり、スタッフだったり、
マネージャーだったり、
何より15年支えてくれたみなさんのおかげだと思います」
３０代前半を生きている嵐にとっては、
自分個人の人生のほぼ半分が、
嵐という人生だったわけで、
しかもその嵐によって人生が豊かになり、
楽しくなり、生きがいになっている
と言ってくれるファンもいるわけです。
それが実感できたのが今回の15周年
のハワイライブであったろうし、
そこに関わるあまりに多くの人々への
感謝の気持ちだったのでしょう。
他のメンバーにしても、
一度は辞めたいと思ったことがあったのではないでしょうか。
リーダー大野くんが口にするからこそ、
また大きな意味を持つ「正直やめようと思った」の一言。
男泣きする大野くんのピュアな気持ちを知って、
新たに嵐という一人一人に人間味を感じ、
絆の深さに感動することができました。
最後までお読みいただき
ありがとうございました(_ _)。
