TOEICのPart 7が苦手な方によくある症状と、
その症状を解決するための勉強法・コツなどの対策や、
おすすめの参考書・問題集もまとめてみました。
まずは、
「そもそも英文が読むこと自体が苦手だ…orz」という方に、
よくあるパターンとその対策をまとめてみました。
●文法が苦手
リーディング300点未満の方は、
おそらく、中学・高校レベルの文法がきちんと理解できていないです。
”リーディングセクションで270点しか取得できていないならば、
英語の基礎である文法や構文…のインプットが非常に少ないと想像できます”
とおっしゃっておられます。
また、リスニングやPart 7は強いのに、
文法が苦手なまま放置プレイしてきて、
800点前後で伸び悩む人をよく見てきました。
さぁ、今まで文法を避けて通ってこられた方!
文法学習、いつやるか?
今でしょ!
もう古い?
●そもそも普段から英文を読んでいない
高校生の頃、
友達と「ギターの練習をせずに、ギターがうまくなるにはどうしたらいいか?」
という命題について議論したことがあります。
5分で結論が出ました。
「こんな議論する時間があれば、ギターの練習ができるよな…」
ギターの「F」のコード、テニスのバックハンド、
接客のクレーム対応などもそうですが、
結局、苦手なことって、
放置プレイしているといつまで経っても苦手なままなんですよね。
”公式問題集のPart 7の英文をひたすら何度も読みました”
※表現は違ってたと思います…
とおっしゃっておられたので、一念発起して、
公式問題集2冊分を、精読できちんと理解した上で、
毎日読むトレーニングを始め、トータルで20~30回読みました。
新しい模試をやる度に、
愚直にそのトレーニングを続けていたら、
リーディングでは400点前後は取れるレベルになり、
最終的に465点が取れました。
さぁ、今まで英文を読むのを避けてきた方!
PART 7の全文音読トレーニング、いつやるか?
……あ、もうこのネタいいですか?
●返り読み:英文を後ろから訳しながら読むこと
●戻り読み:読み終えた文章がイマイチ理解できず、再度文頭から読み直すこと
とします。
僕は学生時代に、
この「返り読み」を叩きこまれた、
犠牲者の一人でした。
そして、「返り読み」と「戻り読み」をしていると、
いつまで経っても、速く正確に読めるようにならないです。
僕はかなりひどく患っていたので、
「返り読み」「戻り読み」を治すのにはちょっと苦労しました。
「返り読み」「戻り読み」を矯正するのに意識したことは、次の2つです。
【返り読み・戻り読み矯正法】
1) 精読で文構造(主語・動詞・目的語・修飾句など)を把握し、
2) 文構造を意識しながら、最初の数周は”超”ゆっくり読む
●瞬間英作文でも矯正できる
この半年間、
瞬間英作文(瞬時に口頭で行う和文英訳)をメイントレーニングにしてきたのですが、
瞬間英作文のほうが、
「返り読み」は矯正しやすいかもしれないと思ったりもしています。
瞬間英作文は、
文頭から自分で英文を作っていくトレーニングなので、
否が応でも、文頭から処理していくことになるんですね。
そして、瞬間英作文をするようになってから、
文頭から瞬時に処理する能力が上がってきたので、
リスニングもリーディングもラクになってきたんです。
ですので、いずれ英会話もできるようになりたい方は、
4技能を同時に伸ばせる瞬間英作文トレーニングの導入をお薦めします。
TOEIC以外の英文を読んでいる
普段、洋書を読んだり、
ニュース記事を読んでいる方もおられると思います。
これは間違った勉強というわけではないです。
英文を読み続けていれば、
リーディング力は必ず伸びますから。
ただ、シングルテニスで確実に優勝するつもりなら、
普段の練習でダブルステニスはしないでしょうし、
プロ野球のピッチャーになりたいのなら、
ソフトボールでは練習しないと思うのです。
両者は似て非なるもの。
TOEICも同様で、少しでも早く730点~900点を取る必要がある方は、
PART7の英文を繰り返し読んだほうが、
時間対効果は圧倒的に高いです。
というのも、PART 7の英文を繰り返し読むトレーニングには、
TOEIC的には一石五鳥の効果があるからです。
【PART 7を繰り返し読むトレーニングの効果】
1) PART 7の英文を読むスピード向上
2) PART 5・6の問題文を読むスピード向上
3) PART 3・4の設問・選択肢を読むスピード向上
4) PART 5・6の語彙問題に強くなる
5) Part 3・4・7によく出る話の流れを覚えられる
●とにかく速読している
「TOEICのリーディングでは、
スキミングとスキャニングが大事。
英文をザッと速読して大意をつかめ」
みたいなアドバイスをよく聞きますよね。
確かに、速読は必須です。
しかし、TOEICでは、速読できるだけではダメなんです。
速く、かつ、正確に、読めないと高得点は取れないんです。
例えば、2012年に受けた試験で、
たった1つの形容詞が、
正解の選択肢の解答の根拠になっている問題があったんです。
もしこの形容詞を見落としてたら、
不正解の選択肢を選ぶしかにないように作られてました。
TOEICには、
こういった正確に読めていない受験者を、
ふるいにかけるヒッカケ問題がけっこうあるんです。
だから、速いだけでなく、
正確に読めるようにならないといけません。
そして、正確に読めるようにするためには、
まず、精読で英文を正確に分析して理解する必要があります。
流れとしては、
1) 精読で、英文を正確に理解した上で、
2) 最初はスローリーディングでゆっくり何度も音読・黙読し、
3) 読み慣れてきたら、速読する
という感じです。
続いて、PART 7が苦手な人によくある症状とその対策をまとめてみました。
●時間内に解き終われない
リーディングセクションでは、
●Part 5・6:20分
●Part 7:55分
で解く必要がある、というのは、ご存知の方も多いと思います。
で、リーディングセクションが、
時間内に解き終われない人の多くは、
Part 5・6を20分で終えられていないと思うのですが、いかがでしょうか?
リーディングで時間内に解き終わるためには、
まず、Part 5・6を20分で、
解けるようにトレーニングする必要があり、
解けるようになってきたら(時間のある方は同時に)、
Part 7を55分で解けるようにトレーニングしていきましょう。
●Part 7の英文の量に圧倒される
普段、ジョギングしていない人が、
いきなりフルマラソンで完走はできないですよね?
つまり、普段からPart 7の1セット分の英文を読んでいないのに、
当日のテストであの短い時間内に、全部読めるはずがないんです…
逆に言えば、
普段から(可能であれば毎日)Part 7を1セット読むようにすれば、
テストであの英文の量に圧倒されることはなくなってきます。
先ほど、僕が公式問題集2冊分のPart 7の全英文を、
ひたすら読んだことをお話しましたが、
その後、さらに模試2冊分(合計で模試のテスト10回分)のPart 7の全英文を、
これまた、精読した上で 毎日読み、トータルで20回くらい読みました。
その結果、465点が取れました。
※その後また下がったんですけどね(笑)。
僕が使用した模試は、
●最新の公式問題集2冊
●究極の模試
●超リアル模試
です。
この項目で大切なことは、
本番と同等の(800点以上の方はそれ以上の)トレーニングを普段からやっていれば、
本番でも圧倒されないということです。
※本番よりも厳しいトレーニングを「高地トレーニング」と言ったりします。
●設問を先読みしても頭に残らない
●本文を先に読んでも解くときに頭に残ってない
Part 7の問題の解き方で、
「設問を先読みしたほうがいい」
「通常通り本文を先に読んでから解答したほうがいい」
というのがありますよね?
ぶっちゃけ、
リーディングが400点未満のうちは、
どっちからやってもあんまり変わらない気がしています。
設問を先読みしていても、
本文を読んでいるうちに、
「あれ?設問なんやったっけ?」と忘れてしまいますし、
逆に、本文を読んでから解答すると、
「この設問の内容、本文のどこかに書いてあったような…」と忘れてしまいます。
TOEICを18回受けてきて、
どちらのテクニックも試してきたのですが、
900点を超えて判明したことは、
読んだ内容が頭に残らないのは、
単純に、リーディング力が低い
(≒Part 7の英文を読んでる量が足りない)からだと判明しました\(・ω・)/
上述したように、
公式問題集や信頼できる模試のテスト10回分のPart 7の全英文を、
設問・選択肢も含めて、精読した上で 何度も読んでいると、
●Part 7によく出る語彙・表現
●Part 7によく出る設問・選択肢のパターン
●Part 7によく出る話の流れ
を自動的に覚えてきます。
つまり、良質なPart 7の英文をひたすら読んでいると、
本番でもPart 7の英文がスラスラと読めるようになり、
本文の内容も、設問・選択肢も、頭に残るようになってくるんです。
リーディングで400点を超えてきたら、
「設問を先読みするか、本文を先に読むか」は、
好みでいいと思います。
Part 7で難しいとされている設問の対策をまとめてみました。
●NOT問題・選択肢照合問題が苦手
Part 7で難しいとされている問題に、
●NOT問題:本文にないものを選ぶ問題
●選択肢照合問題:選択肢を1つ1つ本文と照らし合わせて解く問題
というのがありますよね。
730点~800点をめざしている方は、
NOT問題・選択肢照合問題の、
難しめの問題 = 解くのに時間がかかる問題は、
捨てるといいと思います。
730点~800点をめざしている方は、
当然ですが、満点を取る必要はないんです。
つまり、全体で2割くらい間違えられる余裕がある。
Part 7の全48問中、
9問くらいは間違えてもいいことになります。
そして、
NOT問題・選択肢照合型問題には、
(A) 本文の一箇所に情報が固まっているタイプ
(B) 情報が点在してるタイプ
があります。
(A) 情報が固まっているタイプは、
解答の根拠が比較的見つけやすいので、
1問1分のペースで解けるものが多いです。
※当然、巧みに言い換えられてて難しいのもあります。
だってTOEICだもの。
ですが、(B) 情報が点在しているタイプは、
解答の根拠を探すのに非常に時間がかかりますし、
リピーティング力(読んだことを一時的に覚えておく力)がないと、
解くのは厳しいです。
リーディング400点未満の方にとっては、
リーディングセクションで、
1問1分以上かかる=時間の浪費なので、捨てたほうがいい。
正解できるかどうか分からない難しい設問に時間をかけるくらいなら、
その後に控えている、
確実に解けるやさしい問題に時間を割いたほうがスコアは上がります。
僕がリーディングセクションで、
465点取れたときも何問か捨ててます。
「難問を瞬時に見極めて、
時間がかかりそうなら捨てて、
現在の実力で解ける問題に時間的リソースをまわす」というのは、
Part 7の重要なテクニックの1つです。
現在300点台~400点台で、
Part 7の問題の解き方に悩んでおられる方は、
「究極のゼミ Part 7」がお薦めです。
Part 7対策本では少数派の、
設問タイプ毎に問題の解き方が学べる参考書兼問題集で、
個人的には、解説が最も丁寧なシリーズだと感じています。
●Article(記事問題)が苦手
Part 7では、Article問題は難しいとされていて、
「海外の英語ニュース記事を読んだほうがいい」とおっしゃる方もおられますが、
最優先事項がTOEIC 730点~900点なのであれば、
その対策はお薦めしないです。
最近の傾向では、Part 7は、
SP(シングルパッセージ:1文書問題)が9題、
DP(ダブルパッセージ:2文書問題)が4題、
出題されるようになってまして、
その中で、Articleは1題しかないことも多いです。
たったその1題のために、
「ニュース記事を読む」というのは、
時間対効果を考えると、あまり効率的ではないなと。
もちろん、ニュース記事を読むことで、
リーディング力はつきますし、語彙力も身につきますし、
たいていの人にとっては、
TOEICの英文よりも、ニュース記事のほうが面白く読めると思います。
ですが、
「早急にTOEIC 730点なり、
900点なりを取らないといけない」という状況なのであれば、
今はTOEICに”選択と集中”されたほうがいいと思うのです。
●DP(2文書問題)が苦手
※DP:ダブルパッセージの略
「DPが苦手」というのは、おそらく思い込みです。
試しに、お手持ちのPart 7対策問題集を開き、
時間がいくらかかってもいいので、
未着手の問題を1題解いてみて下さい。
DPは1題に設問が5問付いてますが、
リーディングで350点以上の方は、
時間さえあれば、2~3問くらいは解けるのではないかと。
実は、DPにはやさしい問題がけっこうあるので、
きちんと向き合ってみると意外と解ける問題があります。
試験中、比較的難問の多いSPの7~9題目で、
手こずって時間を消費して、
DPの最後をぬり絵するのはすごくモッタイナイのです。
それを知ってから、僕のリーディングセクションの解き方は、
Part 5→Part 6→Part 7 DP→SPという流れになりました。
【この記事で大切なこと】
PART 7が苦手な人は、
Part 7の英文を読む量が圧倒的に少ないので、
リーディングが400点を超えるまでは、ひたすら読むべし。