CMなどでも「レモン○個分のビタミンC配合」といった健康食品、
とりわけサプリメントが世の中にはたくさんあります。
足りないものを補う。
しかも体内からなのでいかにも効果がありそうに思いますが、
実際のところはどうでしょうか?
髪の成分はなに?
髪はタンパク質でできています。
タンパク質とはアミノ酸が集まってできたものです。
だけど、アミノ酸ばかり摂取していればよいというものではありません。
髪質を守るには、
亜鉛や鉄分といったミネラル類が必要ですし、
メラニン色素の合成には銅が必要です。
さらにタンパク質の代謝や発育に関係するのがビタミン。
と、どれか一つを摂取すればよいというものではありません。
色んな栄養素がうまくバランスを保ってこそ、
正常な発毛、育毛に繋がるということです。
サプリメントの過剰摂取は薄毛の原因になる
「足りないよりも多い方がいいんじゃないの?」と思われるかもしれませんが、
ちょっと待ってください。
サプリメントの過剰摂取は薄毛を進行させることもあるんです。
サプリメントを含む健康食品の摂取は頭から異臭を放つ
東田雪子氏の著書によると、
髪に問題を抱え、かつ頭から異臭を放つ人が年々増えているといいます。
そしてその人たちは例外なく健康食品を愛用しています。
頭皮下に多量の不純物が蓄積されて、
脱毛症がひどくなっている状態です。それにも関わらず、
「体調がよくなったのは、
健康食品のおかげなので、これからもやめるわけにはいかない」と口々に言うそうです。
CASE1:美容のために摂取した昆布エキスサプリメントで脱毛した美女
若い頃、
絶世の美女と呼ばれた女性は、
その美貌を維持するために知人から勧めで毎日昆布を食べ、
さらに昆布エキスのサプリメントも愛用していました。
そのうちこの女性は昆布エキスの過剰摂取により、
脱毛に悩まされるようになりました。
昆布は髪に必要なミネラルが豊富なのですが、
昆布の過剰摂取は甲状腺の機能障害を引き起こします。
結局は昆布の過剰摂取をやめることでこの事態は収まりました。
CASE2:飲む育毛剤と健康食品の併用で倒れた実業家
健康食品とセットになった飲む育毛剤を使用したところ、
脱毛がひどくなってしまいました。
さらにスッポンエキスやコラーゲンなど多くの健康食品を使い、
ある日イスから立ち上がる際に突然倒れ意識を失いました。
一命はとりとめましたが、
原因は脳血栓。血液が濃すぎたそうです。
その他にも、髪に必要だとされる栄養を過剰に摂取すると、
以下の表のような事態を招きかねません。
栄養素名 過剰摂取症例
アミノ酸 腎臓や肝臓への負担など
鉄 嘔吐、下痢、ショック、中毒など
ビタミンA 目のかすみ、頭痛、イライラ、嘔吐、脱毛など
亜鉛 胃障害、めまい、吐き気、銅や鉄の吸収阻害による銅欠乏や鉄欠乏など
サプリメントで補給する栄養よりも血行が大切
とは言っても、やはり栄養は大切です。
その栄養が髪の源になることには間違いありませんから。
しかし、その栄養は、
日頃の食事をバランス良く摂取すれば問題ありません。
過剰に摂取すれば薄毛の改善どころか、
先に挙げたような危険な目にあうことも考えられます。
それに栄養がたくさんあっても、
必要なところに運ばれなければそもそも意味がありません。
栄養を運ぶのは血です。
ということは血行を改善することが重要です。
血行が滞っている頭皮は赤みがかっていたり、
固くなってしまっているケースがあります。
その場合はまず血行を改善することが最優先です。
生え際の薄毛には血行+男性ホルモンへの対策が大切
さらに生え際の薄毛には、
男性ホルモンが大きく関わってきます。
睾丸から分泌される男性ホルモンは毛乳頭などに潜んでいる、
5αリダクターゼという因子と結びつき、
発毛を阻害する因子「ジヒドロテストステロン」へと変わります。
生え際の薄毛はこのジヒドロテストステロンが一番の元凶です。
生え際の薄毛には、
この血行の改善と男性ホルモンの対策ができない限り改善は難しいでしょう。
ましてやサプリメントを摂取したからといって、
これらを改善できるとは考えにくいですね。