「概要から詳細へ」という状況も、
「基本から応用へ」と同じのようなものです。
表現が異なってくるにすぎません。
概要をつかむというのは、
とにかく全体を大きくとらえて俯瞰するということ。
キッチリ高層ビルの窓から地表を見渡すように、
全体を視野に入れる時に使うのです。
効率的な勉強をしていく上で、
かならず必要な作業です。
このことはパズルゲームに例えられます。
パズルを完成させようと思えば、
まずは完成図を見てイメージしませんか?
完成形も知らないで、
いきなりパズルボードにピースを置いていく人はいないはずです。
このように効率的に行動を起こそうとすれば、
しぜんと概要理解から入っていくのが、
人間の脳の特性なのです。
そのほかにも、
何かを達成しようと思えば、
まずは大きな目標を立てます。
会社の事業目標でも、
まずは大きなスローガンを掲げますよね?
そうしてから、
より細かい中間目標や
周辺にある目標を立てていくという流れになります。
大学受験に合格しようと
決めた場合でも同様です。
はじめに最終目標の準備をしてから、
日々のノルマにまでインプットしていくのです。
ダイエットしたい場合でも、
まずは、どのくらい痩せたいかという
イメージをもつはずです。
5kg痩せたいとか10kg痩せたいとか、
あるいは二の腕のたるみを取りたいとか、
お腹をへこませたいとか・・・。
また、あの芸能人やモデルみたいになりたいという、
おおよそのイメージをもつことが出発点なのではありませんか?
そのようなイメージを頭に描いてから、
「じゃあどうするか?」という詳細を考えていくはずです。
たとえば、ダイエットに向けて有酸素運動をしようとか、
緑黄色野菜を多くしようとか、
咀嚼を多くしよう、などなど・・・。
普段の生活では、このように
概要(イメージ)を描いてから、
詳細へと進んでいくのに、
いざ受験勉強となると、
いきなり細かい歴史の年号や人名を暗記しようとしがちになります。
英語でも、英文を無視して、
英単語だけを切り離し、
それだけをひたすら記憶しようとしがちです。
しかし、そのように全体から切り離された知識というのは、
脳内で「離れ小島」状態になってるため、
覚えにくいうえに振り返りにくくなるのです。
脳内でシナプスの結合パターンがわずかなので、
思い出すときの経路が限定され、
緊張がともなう本番の試験では、
なかなか出てこないということに・・・。
効率がいい勉強したいなら、
まずは全体を捉えて熟知し、
なおかつ「そこから切り離すことなく覚えていく」ことが
必要になってしまうと言えます。