「ファイアーエムブレム 封印の剣」という作品の特徴!王道で難易度もまあまあ!?

概要

 

SRPGというジャンルの火付け役となった『ファイアーエムブレム』のシリーズ6作目。

「紋章の謎」オマージュで今までの作品のよかったシステムのみを取り入れて
遊びやすい作りになっている。

 

支援会話システム

 

本作にてその集大成と言える「支援会話」システムが確立された。

支援を組めるユニット同士を隣接させて
ターンを終えるとポイントが貯まり、
それが一定値に達すると
発生する「会話」コマンドを選択すると支援効果が発生するようになる。

支援効果はこれまでの回避や命中だけでなく、
攻撃力や防御力に及ぶようになった。

 

どんな効果になるかは
キャラクターごとの「属性」の組み合わせにより変わる。

多くのポイントを要しながらも
まったく接点がないユニット同士で発生する事もある。

 

本編で物語に絡めない脇役キャラの個性や過去を
より深く掘り下げることが可能になった。

また主人公含む一部のキャラは支援キャラの組み合わせに応じて
エンディング後の後日談も変化するため、
周回プレイ時の楽しみにもなっている。

 

簡単すぎず難しすぎない難易度

 

シリーズ最高レベルの難易度と言われる前作『トラキア』に比べると
難易度はずっと緩和されているが、
節々での手強さは十分健在であり、
『紋章』同様程よい難易度調整と言った所。

 

ただしそれでもクリアできない人も少なくなかった事実からか、
次回作の『烈火の剣』では
チュートリアルの大幅な強化・敵のパラメーターの下降などの調整がなされた。

 

王道路線ながら緻密なストーリー

 

本作のストーリー構成は、
当シリーズのオーソドックスなスタイルで抜きん出た壮大さやインパクトにこそ欠けるが、
小さな諸侯の息子でしかなかったロイが激戦、
大国の陰謀を乗り越えて世界規模の軍勢の将に成長する経緯、
大陸を巻き込む戦争の発端から集結等、
それぞれの過程を余すことなく描ききっており、
王道シナリオの鑑とも言える完成度となっている。

2周目からは難易度が上がった「ハードモード」が選べるようになっている。

 

敵の能力が1章からかなり引き上げられている他、
各章の増援数が全体的に多くなっている。(配置面では全25章中3章程度だが)

 

序盤だといわゆる「お助けパラディン」のマーカスをうまく使うと、
敵のHPがギリギリ残るよう調整されており他のユニットが育成しやすくなるなど、
彼の力をもいかに借りるかで難易度が大きく変わる。

 

また、本作では
ハードモードでしか出現しないボスが1体だけ用意されている。

初代から本作まで、
敵軍の増援ユニットが出現と同時に行動する。

 

そのため「増援で寝返りキャラが出現し、
そのユニットをうっかり反撃で殺してしまう」
「友軍NPCが同時に出現した敵増援に1ターンで殺される
(=そのNPCを守る時間すら与えられない)」というような事態も発生しうる。

代表的な例はハードモードにおける7章に登場するNPCユニットのトレック。

 

登場と同時に敵に突っ込んで
集中攻撃を受けると1ターンのうちにやられる事もあり
自軍とある程度離れた位置に出現する上、
合間には敵も多く配置されている為、
一筋縄では救出出来ない、
歴代でも屈指的難易度な加入条件になっている。

 

以降の作品では増援は出現ターンには行動しないことが多い
(増援は出現と同時に行動するのは、
リメイクである『新・暗黒竜』と『新・紋章』、『覚醒』の難易度ハード以上のみ)。

 

本作で真のエンディングを見るためには、
6か所全ての外伝マップをクリアして、
ストーリー上でも重要な最強武器「神将器」を全て集める必要がある。

 

神将器が一つでも欠けていると22章をクリアすると
そのまま後味の悪いエンディングになってしまうが、
神将器が揃っていれば23・24・終章に進める。

『紋章の謎』の星のかけら集めを踏襲した仕様と思われるが
以降の作品では最低限終章までたどり着けるようになっている。

外伝に進むには
該当章の規定ターン数以内のクリアや特定キャラの生存が条件。

 

しかしゲーム内では間接的なヒントはあるものの具体的な条件がわからないので、
初見では進みそこねる可能性が高い。

また神将器を武器として使い切ってしまった場合や、
持っていたキャラが途中で倒されてしまった場合も駄目。

これらの仕様は作中では一切説明されない。

 

一部の寝返りキャラは仲間にする条件がわかりにくいものがもある。

特に16章のダグラスは誰で説得しても仲間にならず、
倒さずにマップをクリアしないと仲間にならないが、
向こうは狭い城内で大量の増援と共にお構いなしに突撃してくる…というノーヒントでは
やや難易度の高いものになっている

 

ゲームバランス面

一部突出して強いクラスが存在。

今作の「ソードマスター」(剣士の上級職)は
必殺+30という驚異的な補正がかかっている上、
回避ゲーである今作の仕様とマッチして
最強のクラスとして君臨している。

 

その上、序盤で加入する剣士のルトガー・フィル共に
初期装備は必殺に補正がかかるキルソードや倭刀を所持、
支援相手にも恵まれて
尚且つ上記のハードブーストに対応という隙の無い強さを誇る。

並びに騎馬弓ユニットである「遊牧民/遊牧騎兵」がソードマスターに並んで強力。

援護系ユニットでは
騎馬杖のトルパドールがいる。

この他、総合力が高い上に
2名ともハードブーストがかかる「ドラゴンナイト」、

 

技の上限値が低めだが
ソードマスターと同じく必殺+30補正がかかり
「高い山」での回避が強力な「バーサーカー」、
今作のマップの広さと
総合力の高さが噛み合って
「パラディン」が今作の強ユニットとされている。

遊牧民の存在でアーチャーが割を食っているが、
一部を除けば弱すぎて使い物にならないキャラ・クラスは少ない。

 

支援効果等を考えれば
ある程度好きなキャラクターを使って
攻略できるバランスにはなっている。

 

一部弱すぎる味方キャラの存在

職間のバランス等を踏まえても弱すぎるキャラが何人か存在する。

システムを深く理解していれば、
まったく使い道がないということはなく、
立ち回り次第である程度生かすことができる。

 

ウォルト(アーチャー)

前日談のチュートリアルでも顔を見せ、
第一章から登場するロイの乳兄弟であり、側近の一人。

圧倒的に初期能力値が低く、自軍の弓兵中最低値。

成長率自体は悪くはないので
「育てれば光る…」と思われたが
研究の結果、
ウォルトをLv20に育ててから
クラスチェンジした能力期待値が
クラスチェンジ後のスナイパー職のLv1で
加入するイグレーヌの初期値に劣っていることが判明。

 

彼女の初期値は即戦力になるレベルの水準であるとはいえ、
これはひどい。

ストーリーでの出番も
ロイと兄弟同然に育ったという親密な間柄でありながらも
チュートリアルと1章で一言喋るだけで、
それ以上は支援会話をしなければ
彼の性格や振る舞いが分からない…とやはり不遇。

 

セシリア(ヴァルキュリア)

ウォルトと同じくチュートリアルから指南役として登場しており、
「エトルリア王国が誇る三将軍の1人『魔道軍将』の地位にありロイにとっては
戦術のリリーナにとっては魔法の師匠」という重要な立ち位置で、
ストーリー上でも
苦境に立たされたロイの数少ない理解者及び橋渡し役として
活躍するシーンは非常に多い。

ベルン&エトルリアのクーデター軍に少ない手勢で抵抗し続けるなど
統率力や実力に秀でているとする描写もある。

 

だが、実際に味方ユニットとしての能力はというと設定に反して
あまりにも低すぎるし、
ハードモードだと敵として出てくる同職業の雑魚敵よりも低い。

 

ソフィーヤ(シャーマン)

セシリアと同時に仲間になる不思議系ヒロイン枠の少女。

上記闇魔法が不遇なことでも触れたが、
中盤で仲間になるにも関わらず下級職のLv1、
更に闇魔法を使うための体格が少し足りず、
育成することの難易度がそもそも高い。

 

雰囲気、中盤にLV1で加入、
「いかにも大器晩成か?」と言われてもそうでもなく、
バランスの良いレイに勝るところが魔力と魔防くらいしかない。

幸い支援相手にはそこそこ恵まれており、
誰と組んでも弱点である命中や幸運、回避の低さを大きく補えるのが強みであり、
これらを上手く活用することである程度楽になる。

 

また、今作は上記3キャラ以外にも
クラリーネに割を食う形で僧侶が、
バーサーカー勢に食われる形で戦士が使い辛い、
封印以前の作品のお約束として上級職で加入するキャラの大半が初期ステータス、
成長率ともに低めに設定されている等、
バランス面では練り込み不足を感じられる。

 

各職の強みや支援による強化をうまく使えば、
難易度ノーマルなら活躍させつつクリアできる程度には収まっている。

 

ハードモードの難易度調整について

難易度上昇の措置が
敵の能力の引き上げによる比率がかなり大きくなっており、
後のように
配置や敵装備や行動等には
さほど手が加わっていない。

 

こちらが弱い序盤ならまだしも
戦力が整ってくる中盤以降はその影響が小さくなりがち。

闘技場による育成に抵抗が無い場合、
8章からノーマル同然の感覚で進められる。

ただしハードにおける新規の増援などは存在している。

 

主人公のクラスチェンジが遅い

主人公のロイは能力値、成長率自体は力・速さが平均的だが、
クラスチェンジが全25章中21章or21章外伝終了後とあまりに遅すぎるため、
中盤以降は長いこと足を引っ張る。

ハードモードに至ってはお荷物同然。

 

力・速さが平均的な成長率と言う事は
成長がヘタれやすいと言う事にも繋がったり、
専用武器のレイピアは必殺率がやや高く、
特効対象は
ほとんどが3すくみで不利な槍を持っているので
使いやすいとは正直言い難い。

下級職の頃は「器用貧乏」な印象が否めないが、
マスターロードになると
「隙の無い高水準なバランス型」という強みに昇華する。

 

ラスボスが非常に弱い

守備や魔防も高くはあるが理不尽な領域ではなく、
前作までのラスボスが持っていた攻撃力半減効果もない為、
相応に育てたユニットを用意すれば
他の武器で倒す事も不可能ではない。

 

ただし封印の剣以外でトドメを刺すと
真エンディングが見られなくなるので注意。

うまくゲームを進められなかった場合の救済措置としても見れるが、
その程度の実力では真ルートに達すること自体が難しく、
いまいち調整がうまくいっていない。

 

それより前に戦う大ボスの方が特効も無く、
間接攻撃も可能な威力の高い武器を持ち、
強力な特殊効果を受けられる玉座に居る為、
尚更こちらのボーナスステージっぷりが際立つ。

 

総評

シリーズ最高難易度を誇る前作『トラキア776』を踏まえ、
本作は高めながらも、
ライト層でも攻略が見込める『紋章の謎』に近い難易度のバランスに仕上がっている。

『紋章』『トラキア』のシステムに大掛かりなテコ入れを施した初回作。

 

そのためか、
ゲームバランス等に多くの粗こそあれど、
プレイに致命的な支障をきたすレベルのものではなく、
あえて大味な部分を楽しむ者も居る。