いい人間関係は会話することから生まれます。これまで相手を傷つけず、自分が傷つかない話し方の会話術を紹介しました。次は積極的にいい人間関係を築く会話術について解説していきます。
これまでの傷つけず傷つかない話し方では「会話中にこれをしてはいけない」というルールが多くありました。「言葉の裏を読みすぎない」「ほめるために他をけなさない」などです。今回は、円滑な人間関係を構築するために「会話中にこれをしたらいい」をいくつか紹介します。
一番最初の「会話中にこれをしたらいい」は「お願い事は名前を呼んで依頼する」です。名前を呼ぶ会話術は、雑談を盛り上げる方法として別のページでも取り上げています。
こちら↓
「名前を呼ばれると親しみがわいて会話が弾む」
話し相手の名前を呼ぶ行為は、最も基本的な会話術で、人間関係を円滑にする上でもはずすことができないので、改めてここで紹介します。
名前を呼ばずにお願い事をした話し方例1(雑談シーン)
あなた「ねえ、アレとって!」 ←相手の名前を呼ばない上、モノの名前も呼んでません
相手 「ん、コレ?はい。」
あなた「ちがう。アレだって。」
相手 「コレか。」
あなた「ねえ、アレとって!」
相手 「ちがう。アレ!」
名前を呼ばずにお願い事をした話し方例2(ビジネスシーン)
あなた「きみ、会議までのこの書類を30部コピーしておいてくれないか」 ←「きみ」は名前ではありません
名前を省略する話し方はみなさんよくやると思います。仕事上でもプライベートでも心当たりがある人がほとんどではないでしょうか?そして名前を省略する相手は、仕事上であれば部下や親しい同僚、プライベートであれば家族や仲のいい友達などが多いと思います。上司や親交の浅い相手と話すときは、きちんと名前を呼ぶことのほうが多いでしょう。
気を許すことのできない相手ほど名前を呼ぶということは、やはり名前を省略する話し方は失礼な行為なのです。その失礼な話し方をした上でお願い事を依頼するなんてもってのほかです。相手が気持ちよく動けるはずがありません。
名前を省略した話し方はくだけた物の言い方です。できるだけ省略せずにきちんと伝えたほうが親切です。円滑な人間関係を築くには、はずせない話し方です。
名前を呼ぶといい人間関係が築ける
相手の名前を呼ばなくても、問題なく会話が成立する場面はたくさんあります。たとえば、2人だけで雑談していたり、話の流れで誰を指しているのか分かる場合などです。頻繁に顔を合わす親友ほど名前を読んでないなんてこともあるかもしれません。
人は名前を呼んでもらいたい欲求を持っています。何度も会っているのに一度も名前を呼んでもらえないと傷つきます。適度に名前をちりばめて会話をすることは、いい人間関係を築くに必須の会話術です。とくに何かお願い事するときは、必ず相手の名前を呼んで依頼しましょう。
前ページの会話例を名前を呼ぶ話し方に変えると次のようになります。
・いい人間関係が築けるように会話例1を変換
名前を呼ばずにお願い事をした話し方例1(雑談シーン)
あなた「ねえ、アレとって!」 ←相手の名前を呼ばない上、モノの名前も呼んでません
相手 「ん、コレ?はい。」
あなた「ちがう。アレだって。」
相手 「コレか。」
あなた「ねえ、アレとって!」
相手 「ちがう。アレ!」
↓↓↓人間関係が円滑になる会話例に変換↓↓↓
名前を呼んでお願い事をした話し方例1(雑談シーン)
あなた「リカさん、お醤油とって!」
相手 「お醤油ね、はい。」 ←モノの名前を呼べば間違えることもありません
・いい人間関係が築けるように会話例2を変換
名前を呼ばずにお願い事をした話し方例2(ビジネスシーン)
あなた「きみ、会議までのこの書類を30部コピーしておいてくれないか」 ←「きみ」は名前ではありません
↓↓↓人間関係が円滑になる会話例に変換↓↓↓
名前を呼んでお願い事をした話し方例2(ビジネスシーン)
あなた「田中くん、会議までのこの書類を30部コピーしておいてくれないか」 ←目上の人ほど名前を呼んだほうが、部下はうれしいものです
長年連れ添った夫婦のような関係になると、今さら名前を呼ぶなんてと思ってしまうかもしれません。しかしそんな間柄だからこそ名前を呼んで欲しいと私は思います。名前を呼ぶ話し方は、相手に安心や信頼を与えることができます。「あなたをないがしろにしていない」「あなたに関心を持っている」「誰でもいいわけではない、あなたが必要」といった気持ちが伝わります。
どんな気に知れた間柄になっても、めんどくさがらずに名前を呼ぶ会話術を実行してください。いい人間関係はそこから始まります。