雑談でもビジネスでも、会話中のふとした相手の言葉に傷つけられた経験を持つ人はたくさんいます。たいていの場合、相手は特に悪気もなく、さらっと傷つく言葉を口にします。
相手が傷つく言葉を投げかけるのは、いくつかの理由が考えられます。次の会話例をお読みください。
いらいらさせる話し方の会話例1(雑談シーン)
相手 「昨日サッカー見た?」
あなた「見てないよ」
相手 「すごかったんだぜ、まさに奇跡の勝利だよ」
あなた「へー」
相手 (話にノってこないあなたにイライラ!)
いらいらさせる話し方の会話例2(ビジネスシーン)
相手 「こないだ依頼したカタログまだ届かないんですけど。」
あなた「きとんとその日のうちに送りましたが。」
相手 「でも、届いてないんです。住所あってますか。」
あなた「はい、きちんとそちらの住所に送りました。もう少し待てば届くんじゃないでしょうか?」
相手 「もう2週間ですよ!届いてなきゃおかしいでしょ!!(怒)」
会話中に相手をいらいらさせると、口調は強くなりがちです。相手がいらだつ原因の多くは、自分の会話内容があなたに伝わってないと思うからです。仮にあなたが、きちんと相手の話を理解していたとしても、それを態度で示さなければ、相手は理解されてないと感じます。そして、語気を強め、言葉遣いを荒くした話し方になり、必死に伝えようとします。そして、その強い言葉をまともに受けたあなたの心は傷つきます。
あなたが相手の言葉に責められなくするには、相手に「十分伝わってる」と感じさせる聞き方をすることです。そこで有効な会話術が「オウム返し」です。相手の言ったことを単純に繰り返すだけの会話術ですが、相手の気持ちを満足させるには、効果絶大です。
オウム返しで真剣さを伝えると、人間関係が良くなる
(前ページからの続きです)
たとえばあなたが友人とケンカをして、別の友人にその相談に乗ってもらいます。そのとき相手からオウム返しもなく「だったらこうしたらいいんじゃない」とすぐに解決策を示されたら、真剣に話を聞いてくれてないと感じないでしょうか?うんうんと話を聞いて「そうか、そんなことがあってケンカしちゃったんだね」と言ってもらってから解決策を出してもらったほうが、納得できるはずです。
会議でもそうです。誰かの発言を進行役が「○○ということですね」とオウム返ししたほうが、話し合いは円滑に進みます。これは発言者を満足させて、余計な発言をなくす効果があるからです。誰かの発言に対して、「そうじゃなくって!」とすぐに口を挟む日本の国会はヤジばかりでちっとも進みません(悲)
先ほどの会話例を「オウム返し」した話し方に直すと次のようになります。
・自分が傷つかないように会話例1を変換
いらいらさせる話し方の会話例1(雑談シーン)
相手 「昨日サッカー見た?」
あなた「見てないよ」
相手 「すごかったんだぜ、まさに奇跡の勝利だよ」
あなた「へー」
相手 (話にノってこないあなたにイライラ!)
↓↓↓人間関係がよくなる話し方に変換↓↓↓
オウム返しした話し方の会話例1(雑談シーン)
相手 「昨日サッカー見た?」
あなた「昨日はサッカー見てないな」
相手 「すごかったんだぜ、まさに奇跡の勝利だよ」
あなた「へーすごかったんだ。奇跡ってどんなだよ?」
相手 (話を聞いてもらってると感じ、心地いい)
・自分が傷つかないように会話例2を変換
いらいらさせる話し方の会話例2(ビジネスシーン)
相手 「こないだ依頼したカタログまだ届かないんですけど。」
あなた「きとんとその日のうちに送りましたが。」
相手 「でも、届いてないんです。住所あってますか。」
あなた「はい、きちんとそちらの住所に送りました。もう少し待てば届くんじゃないでしょうか?」
相手 「もう2週間ですよ!届いてなきゃおかしいでしょ!!(怒)」
↓↓↓人間関係がよくなる話し方に変換↓↓↓
オウム返しした話し方の会話例2(ビジネスシーン)
相手 「こないだ依頼したカタログまだ届かないんですけど。」
あなた「その日のうちに送ったんですが、届いてないということですね?」
相手 「そうなんです。住所あってますか。」
あなた「恐れ入りますが、確認のためもう一度住所を教えていただけますか?」
相手 「東京都世田谷区○丁目○○です」
あなた「確かにそちらの住所に送っています。よろしければもう一度お送りしてもよろしいでしょうか?」
相手 「お願いします」
あなた「もし2通届いてしまった場合は、お手数ですが1通は破棄してくださいませ」
オウム返しを心がけた会話することは、傷つかない会話をすることです。意識していないと忘れてしまうこともありますが、いい人間関係を築くのにも、もっとも簡単で有効な会話術なのです。