話のネタの大まかな話の流れができたら、話のネタに自分の気持ちを入れる作業をします。 オチの前の部分、いわゆるフリの部分でどんな気持ちを入れるか、どんな気持ちを伝えれば話したい話の結末に持っていくのにスムーズなのかを考えます。
テレビのニュース番組では、アナウンサーは自分の感情は言葉にせずに、淡々とその日の出来事を伝えています。 ニュースに感情の言葉が使われないのは、目的がただ事実を伝えることだけだからです。 感情という余分な情報が無い分、話の内容は残りやすいのですが、聞き手も共感はできません。 ニュースを聞いた聞き手に残るモノは、ただそんなことがあったという事実(情報)だけです。
事実だけでは笑いは起こりません。誰かが意見を言って、その感情を伝える事で、喜怒哀楽は生まれます。その喜怒哀楽を聞き手に感じさせるための作業になります。
話に惹きこまれるのは共感できる話で、共感は話し手の気持ちが聞き手に伝わることで生まれます。話のネタの中に「どんな時にどのように思ったのか」「このときはどんな考えだったのか」そんな想いを盛り込みます。すると聞き手は話し手の気持ちを共有することができ、疑似体験することができるのです。
気持ちを入れる場所は重要です。気持ちの入れる場所によって、聞き手が感じる話の印象や面白さがまったく違うものになります。
例えばこんな事実があったとします。
感情は入っていない。事実だけを説明した話し方
「高校のときに片思いだった女性に10年ぶりに再会した。昔の面影もあり、ほとんど変わっていなかった」
このひとつの事実にいろいろな感情をつけることによって、話の流れを大きく変えることができます。
事実に感情を入れた話し方 例1
「高校のときに片思いだった女性に10年ぶりに偶然再会した。昔の面影もあり、ほとんど変わっていなかった。くっそー、やっぱあの時告白しておけば今頃俺達は幸せな結婚生活を送ってたかもしれないのに~~」
事実に感情を入れた話し方 例2
「高校のときに片思いだった女性に10年ぶりに偶然再会した。昔の面影もあり、ほとんど変わっていなかった。何で10年前とほとんど変わってないの?変わったのは俺だけなのか?オレってそんなに苦労してるんかー」
事実に感情を入れた話し方 例3
「高校のときに片思いだった女性に10年ぶりに偶然再会した。昔の面影もあり、ほとんど変わっていなかった。なんて偶然なんだろう、なんかいいことありそうだ、よし気分よくなってきたぞ」
起こった事実は同じでも、感情をどこにどのように入れるかで、話から伝わる印象はまったく別のものになります。聞き手に与えるインパクトも大きく変わります。話のネタのオチをどのように持って行きたいのかによって、感情を入れるポイントをいろいろ試してみてください。
気持ちを入れて話したい内容(フリ)をはっきりさせよう。