私たちは、普段の雑談で会話を続けるために、どんな質問をしているのでしょうか?
会ってまだ日が浅い人であれば、相手を知るための質問がいくつもあると思います。気の知れた間柄でも新しい話のネタが出ればその話について質問することも多いでしょう。たいていの質問は話のネタの全体像をつかむため、5W1Hを尋ねます。
ちなみにこれが5W1Hです。
5W1H (When(いつ) Where(どこで) Who(誰が) What(何を) Why(なぜ) How(どのように~どうした))
しかし、5W1Hだけで何度か質問をして、ある程度の情報収集できたら、それ以降どのような質問をすれば話は広がるのでしょうか。話し手が出した話のネタを広げるには、相手の気持ちを尋ねることです。
たとえば、雑談中に次のような話のネタが出ます。
こんな話のネタが出たとします
相手「実は最近フラダンスを習い始めたんですよ」
この話のネタに5W1Hを使うと、次のような質問が可能です。
あなた「いつからはじめたんですか」(When)
相手 「1ヶ月くらい前から始めました」
あなた「週に何回通ってるんですか」(When)
相手 「週に2回ほど通っています」
あなた「どうして始めたんですか」(why)
相手 「何か運動はしたいなーって前から思ってたので」
あなた「どこで習ってるんですか」(where)
相手 「駅前に教室があるのでそこで習っています」
あなた「誰かと一緒にやってるんですか」(who)
相手 「友達も一緒です」
あなた「・・・・・」
相手 「・・・・・」
5W1Hだけでいくつか質問ができました。ただしこのような質問は回答もすぐに終わってしまいがちで会話が続きません。しかも、5W1Hだけの質問だと、起こった事実を淡々と聞かれているだけです。聞かれた相手は、取調べを受けているような堅苦しい印象を受けることもあります。あまり楽しくないでしょう。
5W1Hの質問は、話のネタのおおまかなイメージを知りたいときに使います。5W1Hで話のネタのだいたいの雰囲気がつかめたら、今度は話し手の気持ちを尋ねてみましょう。
こんな感じで話します。
気持ちを尋ねる話し方例1
あなた「みんなで踊るって、一体感があって気持ちよさそうですね」
相手 「そうなんですよ。はじめはうまく踊れなかったんですけど、徐々にコツをつかんでました。だんだん気持ちよく踊れるようになってきたんですよ」
もうひとつ話し方例を。
気持ちを尋ねる話し方例2
あなた「習い事を始めるなんてすごいですね」
相手 「いやいや、そんなことないですよ。でも習い事をやるっていいもんですよ。充実した日々が送れてると感じます」
このように自分が思ったことを伝えたり、相手に気持ちを尋ねると、話し手は自分を主役にした会話をすることができます。気持ちよく喜んで答えてくれるでしょう。 気持ちを聞かれることで話のネタのイメージが膨らみ、新しいエピソードを見つける手助けをすることもできます。
相手が自分の気持ちを話してくれたら、その話に気持ちを込めて相槌を打ってあげてください。「そうなんですかぁ」「へぇー」「ほう」と。話のネタをしっかり聞いていると態度で示してあげれば、相手はその話のネタに関係のある次のエピソードを話しやすくなり、会話はさらに広がっていきます。
気持ちを尋ねると、話のネタのイメージを膨らます手助けになる。
そして、膨らんだイメージから新しいエピソードが溢れ出す。